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[MOM2432]東福岡MF野寄和哉(2年)_復活のテクニシャン、交代出場から5分で2発!

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後半10分、東福岡高MF野寄和哉(右)が同点ゴールを喜ぶ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.18 九州高校新人大会予選リーグ 東福岡高 3-1 長崎総合科学大附高 日章学園高G]

 “復活のテクニシャン”が逆転劇の主役になった。東福岡高は0-1の後半10分からFW大森真吾(2年)とMF野寄和哉(2年)を同時投入。すると、直後に大森のシュートのこぼれ球をMF篠田憲政(2年)が後方へ落とし、これを野寄が左足でゴールへ押し込んだ。

 歓喜をもたらした野寄はさらに14分、篠田のシュートのこぼれ球に反応。「こぼれて来るかなと思っていたら、こぼれて来たので決めるだけでした」と右足でゴールに突き刺した。交代出場からわずか5分間で2ゴール。その後もわずかにDFをずらしてのパスや縦への鋭い仕掛け、切り替え速い守備など存在感十分のプレーで逆転勝利に貢献した。

 大会初日の17日は好プレーをすることができていたものの、得点することができていなかった。「きょうは狙っていきたいなと思っていた」という中での2発。森重潤也監督も「今、良いですよ」と認める小さなアタッカーが、タレント軍団の中で目立つ活躍を見せている。

 野寄は中学2年時に元日本代表DF宮本恒靖監督率いる「adidas UEFA Young Champions 日本代表」に選出されてポルトガル遠征を行い、ブラジルやポルトガル相手にインパクトある動きを見せている。そして、東福岡進学後も1年時からプレミアリーグでの出場機会を得て、福岡県選抜として出場した国体でも2ゴールを叩き出すなど、東福岡の1年生の中でも一つ先を行く選手だった。

 だが、同年12月にセカンドチームの一員として出場したプリンスリーグ九州参入戦で左足首を大怪我。完全復帰まで半年を要した負傷の影響によって、昨年は夏冬の全国舞台に立つことができなかった。それでも、「怪我の時に家族やチームメートが励ましてくれて、折れそうだったんですけども、こんなんじゃダメだなと思って頑張ることができました。今できるのは練習頑張って上手くなるしか無い、と思っていた」という彼は努力を続けてチャンスを掴み取り、新人戦で活躍を続けている。

 Aチームのピッチに戻ってきたが、もちろん、ここがゴールではない。「自分の武器はドリブルなので、ドリブルからのチャンスメークだったり、サイド突破だったり、中盤やっている時はいかにシンプルにゴール決められるか。上手く使い分けてやっていかないと上で通用しない」と野寄。プレーできる喜びを噛み締めながらも、「まだまだ」の思いを持ち続けて努力を続け、名門にとって欠かせない存在、全国舞台でまた活躍する選手になる。

(取材・文 吉田太郎)

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