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[MOM2433]日章学園MF比嘉将貴(2年)_宮崎の名門校の新リーダー、より「怖い選手」へ

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後半23分、こぼれ球に反応した日章学園高MF比嘉将貴主将が右足でゴールへ流し込む

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.18 九州高校新人大会予選リーグ 日章学園高 2-0 那覇西高 日章学園高G]

 後半23分に勝敗の行方を決定づける2点目のゴール。だが、日章学園高(宮崎1)MF比嘉将貴主将(2年)は全く喜ぶ素振りを見せずに、持ち場へと戻っていった。

 あまりにも淡々としていたことが印象的だったが、喜びの少なかった理由はシュートが難しいものではなかったから。左クロスのこぼれ球を難なくゴールへ押し込んだシーンについて、「嬉しかったですけれども、流し込むだけだったので」と比嘉は微笑みながら心境を明かしていた。

 この日は本職のボランチではなく、トップ下での出場。普段よりもゴールに近い位置でのプレーだったために、得点に絡まなければならないという意識もあった。ただし、ゴールへの強い意欲はこの日だけではない。本人の心の中では、主軸だった昨年以上に強いモノがある。

「この代になって、自分がもっと点に絡んでいかないといけないという気持ちがありましたし、(早稲田)監督からも自分で行くことも視野にいれながらチャンスメークしないと怖い選手にはなれないと言われているので、意識しています」

 この日は前線との良い距離間の中でプレー。その中でショートパスを正確に通しながら、チャンスあればゴール前へ迫力を持って飛び込み、決定的なシュートを打ち込んでいた。そして1ゴール。ボランチでのプレー時にはまだ欠けているというゴール前の嫌らしさもある動きを見せていた比嘉については、早稲田一男監督も高く評価していた。

 キャプテンマークと背番号「6」は前主将のMF佐藤詩響(3年)から受け継いだモノ。「やっぱりあの人がボールを持つと起点になってスルーパスとか出せたりするし、キャプテンで声も出していたし、プレーでも引っ張っていたので参考にしています」という前主将は目標とする存在だ。

 今冬、選手権3回戦で敗れた流通経済大柏高の選手で最も印象に残っているのは、やはりボランチの選手だという。日本高校選抜のMF宮本優太(3年)について「よく動けるし、守備でも貢献して、攻撃のところも飛び出してきていた」と語る比嘉は宮本、そして佐藤という全国トップレベルのボランチの動き、また憧れのMFルカ・モドリッチ(レアル・マドリー)の動きを参考に自分を磨いていく。

 今年の目標は日章学園中の全国準Vを越える日本一。そのためにリーダーシップを取れる選手が多いという日章学園の中でも目立つようなプレーと声でチームを引っ張り、より対戦相手にとって「怖い選手」となって目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)

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