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[新人戦]日章学園が宮崎日大との九州3位決定戦で逆転勝ち!サニックス杯出場権獲得!

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後半28分、決勝PKを決めた日章学園高MF河原淳が喜びを爆発させる

[2.20 九州高校新人大会3位決定戦 日章学園高 2-1 宮崎日大高 宮崎県総合運動公園ラグビー場]

 20日、平成29年度 第39回九州高校(U-17)サッカー大会(九州高校サッカー新人大会)3位決定戦が行われ、日章学園高(宮崎1)が宮崎日大高(宮崎2)に2-1で逆転勝ち。宮崎県勢対決を制した日章学園が3位となり、サニックス杯国際ユース大会(福岡、3月)への出場権を獲得した。

 日章学園は0-4で敗れた東福岡高(福岡1)との準決勝後、早稲田一男監督から「上に立ち向かう姿勢じゃない」と一喝されたのだという。日章学園は13年度の選手権3回戦でPK戦の末に東福岡を破り、昨夏の九州高校選手権決勝でも東福岡に4-1で勝利。強敵から勝利、または善戦した試合は常に普段の力を100パーセント出し切ったものだった。

 だからこそ、指揮官は負けたこと以上に戦う姿勢が欠けていたことを厳しく指摘。だが、選手たちは、「昨日の負けを引きずっちゃっていた」(GK小原司、2年)という3位決定戦の試合前に再び、早稲田監督から厳しい言葉を受けることになる。負けられない宮崎勢対決、サニックス杯出場という目標もあったはずだが、前日の敗戦から切り替えることができず、覇気のないようなウォーミングアップをしてしまっていた。

 それでも、連日の檄でようやく目を覚ました日章学園は、互いにヒートアップするようなシーンが幾度も見られた宮崎日大戦を逆転で制した。立ち上がりからボールを正確に繋ぎながら攻め、FW南太陽(2年)が決定的なシュートを打ち込んでいく。

 だが、宮崎日大GK竹市圭佑(2年)の好守にあうなどゴールを破れなかった日章学園に対して、宮崎日大が先制点を奪う。前半14分、左SB土居耕大(2年)がドリブルで仕掛けると、対応した相手DFのハンドを誘ってPKを獲得。これをエースFW三島光貴主将(2年)が右足で決めた。

 宮崎日大は、その後もMF日野翼(2年)とMF仙波直(2年)、三島を配球源に縦への鋭い攻撃から右SH山口恭平(2年)や左SH川元翔平(2年)が日章学園ゴールを脅かす。前半を0-1で終えた日章学園は後半開始から右SH日高友貴(2年)とFW鈴木陽介(1年)を同時投入。同点を目指すが、宮崎日大も後半開始から送り出されたFW松田竜弥(2年)が前線で良くボールを収め、シュートチャンスを増やしていく。

 だが、宮崎日大は後半に運動量が落ちたことで日章学園の反撃を許してしまう。エースMF河原淳(2年)とMF比嘉将貴主将(2年)を2シャドーに配置して攻撃を活性化した日章学園は、セットプレーやカウンターからチャンスを作り出すと24分、判定が差し替わった右FKから同点ゴールを奪う。

 河原が右足で中央へ放り込むと、これを日高が頭で合わせて1-1。さらに28分には河原の右クロスに飛び込んだ鈴木がPKを獲得する。このPKを河原が右足で決めて逆転勝ち。特に後半は空回りするくらいに気持ちのこもった戦いを見せた日章学園が九州3位に入った。

 下級生時から日章学園のレギュラーを務め、今冬の選手権でも活躍したGK小原が「去年よりは能力的には劣っているかもしれないですけれども、その分チーム力だったり、一人欠けてもそこをカバーできる能力は去年よりはあるかなと思います」と評する今年の日章学園。日章学園中時代に全国中学校大会で準優勝しているメンバーが中心となる新チームは、早稲田監督が思い描いていた以上のスタートを切っているという。だが、一度歯車が狂うと、まだまだ立て直す力を示すことができなかった。それだけに、インターハイ、選手権での全国制覇という高い目標に本気で向かう「強い」チームを全員で作り上げていく。

 来月には、選手権優勝の前橋育英高(群馬)や同準優勝の流通経済大柏高(千葉)など強豪が集うサニックス杯でどこまで戦えるかチャレンジ。小原は「(九州大会では6試合中5試合で失点したため)次こそは失点しないという気持ちで、相手は絶対に格上なんですけれども、チャレンジャーとして食っていけるようにしたい」と意気込んだ。

(取材・文 吉田太郎)

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