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白熱の“昇格組”対決、終盤勝ち越しの湘南に軍配!! J1初陣・長崎は勝ち点獲得ならず

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先制点を決めた湘南FWイ・ジョンヒョプ

[2.24 J1第1節 湘南2-1長崎 BMWス]

 2018シーズンが開幕したJ1リーグは24日、第1節2日目を各地で行い、昨季J2王者の湘南ベルマーレとJ1初昇格のV・ファーレン長崎が対戦した。昇格組同士、序盤から白熱した展開を見せたが、4度目のJ1挑戦となったホームの湘南が2-1で競り勝った。

 3-4-2-1の湘南は新加入選手4人が先発。DF大野和成(←新潟)、MF松田天馬(←鹿屋体育大)、MFアレン・ステバノヴィッチ(←パルチザン)、FWイ・ジョンヒョプ(←釜山アイパーク)が並び、キャプテンのMF高山薫はベンチスタートとなった。

 同じく3-4-2-1で臨んだ長崎はスタメン7人がJ1未経験者。34歳1か月14日のDF高杉亮太は日本人選手最年長のJ1デビュー。JFL時代の2012年から所属するMF前田悠佑は在籍7年目での初陣となった。J1通算359試合出場のDF徳永悠平も11人に名を連ねた。[スタメン&布陣はコチラ]

 昨季のJ2リーグでワンツーフィニッシュを果たし、同時にJ1昇格を成し遂げた両チーム。トップカテゴリで好スタートを切るため負けられない一戦は互いにボールを蹴り合い、浮き球が飛び交う展開となった。前半4分には湘南DF岡本拓也と長崎MF翁長聖が空中戦から倒れ込むなど、序盤から激しいマッチアップが繰り広げられた。

 すると前半8分、ミラーゲームを個人で打開した湘南が試合を動かした。攻撃時はトップ下気味に張り出す松田が右サイドを突破し、2人を抜き去ってマイナス方向のクロスを配給。後方から走り込んだイ・ジョンヒョプが左足ダイレクトで合わせると、ボールはGK増田卓也の脇を抜いてネットを揺らした。

 一方、早々に失点を喫した長崎だったが、1トップのFWファンマにボールを集め、攻撃の糸口を模索する。すると前半16分、敵陣左サイドでファンマが獲得したFKを前田が蹴り込み、ファーサイドでハイジャンプを見せた高杉がヘディングシュート。GK秋元陽太が横っ飛びで止めたが、跳ね返りをDF田上大地がダイビングヘッドで押し込み、試合を振り出しに戻した。

 前半21分、湘南は右ストッパーのDF山根視来が2人抜きのドリブルでスタンドを沸かせると、同25分にも右サイドをオーバーラップした岡本に絶妙なスルーパスを通し、強い存在感を放った。さらに同28分、田上のクリアに反応した岡本がPA外からボレーシュート。ゴール左隅を見事に突いたが、増田がパンチングでかき出した。

 一時は攻め込まれる場面が続いた長崎だったが、高杉、田上、徳永の3バックが安定した働きで持ちこたえると、昨季のJ2で7アシストを記録したMF島田譲の“飛び道具”で勝ち越し点を狙う。精度の高い左足からFK、CKを立て続けに繰り出し、湘南守備陣にプレッシャーをかけた。

 1-1で迎えたハーフタイム、湘南はA・ステバノヴィッチに代えてボランチにMF石川俊輝を投入。松田がポジションを一列上げた。一方の長崎も新加入のオーストラリア人MFベン・ハロランを下げ、ベンチ外のDF中村北斗と並んでチーム最多タイのJ1通算7得点を挙げているFW鈴木武蔵を起用した。

 後半は最終ラインを高く保つ湘南の裏を突いた長崎が、優位に試合を進める。7分、徳永のアーリークロスをPA内で受けたファンマが右サイドに開いてボールをキープ。クロスを相手に当てて右CKを獲得すると、島田のキックに翁長が頭で合わせ、惜しいシュートを放った。

 一方の湘南も徐々にペースをつかみ、着実なビルドアップでボールを前に進めていく。後半23分、右サイドの崩しからゴール前にクロスを送ると、田上のクリアに反応したイ・ジョンヒョプがボレーシュートを放ったが、惜しくも枠外。同27分には、左サイドを突破したDF杉岡大暉が鋭いクロスを送るも、PA内で合わせられなかった。

 勢いに乗って勝ち越したい湘南は後半29分、岡本に代えて高山を投入。負傷による長期離脱で昨季はわずか8試合の出場にとどまった快足アタッカーが右ウイングバックのポジションに入った。すると後半33分、ゴール正面20m弱の位置で菊地が倒され、FKを獲得。同35分、ふわりと壁の上を浮かせたMF秋野央樹のキックはゴールライン上で前田にクリアされたが、こぼれ球を石川が押し込み、ついに勝ち越しに成功した。

 J1で初めての勝ち点獲得が遠のいた長崎は後半36分、失点前から準備をしていたFW中村慶太がMF澤田崇に代わってピッチへ。さらに同45分、MF飯尾竜太朗を下げて188cmの長身DFチェ・キュベックを前線に投入し、ロングボール攻勢に出た。しかし、最後まで相手ゴールを割ることはできず、初の勝ち点獲得は次節以降に持ち越しとなった。

(取材・文 竹内達也)

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