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Jキャンプも経験した市立船橋の注目GK田中悠也、“物言う”、勝たせる守護神へ

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市立船橋高の注目GK田中悠也はチームに厳しさを求めて、勝つ守護神へ

[2.23 練習試合 U-16日本代表候補 2-1 市立船橋高]

 市立船橋高は前半からボールを支配し、U-16日本代表候補を攻守で圧倒。MF松尾勇佑(2年)や後半開始から出場したU-17日本代表MF畑大雅(1年)が抜群の突破力を示していたほか、コンビネーションで相手の守りを切り崩すシーンや、ショートカウンターから決定的なシュートを撃つシーンが幾度もあった。

 だが、得点は前半にFW賀澤陽友(1年)が挙げた1点のみ。後半6分にU-16日本代表候補FW中野桂太に同点FKを許すと、23分にも守備が緩くなった隙を突かれて中野にミドルシュートを決められてしまった。

 終盤の猛攻も相手の身体を張った守りに阻まれたほか、シュート精度を欠いた部分も多分にあって同点に追いつくことができなかった。昨シーズンの終盤戦から先輩GK長谷川凌(現水戸)に代わってゴールを守る機会を得てきた注目GK田中悠也(2年)は同点ゴールについて「バウンドするボールに対して自分のアプローチの仕方とかが全然できていなかった。もう一個前で触っていれば、弾けていた」と自身の責任を口にするなど、悔しさを滲ませていた。

 朝岡隆蔵監督が「男気がある」と評する田中は今季、チームの副主将を務める。「自分が選ばれた理由として、周りが言えないことをしっかり自分が言えるところがあるので」という田中は、年代別日本代表経験者らタレントたちの名が並ぶ一方で我の強い選手も多いチームに厳しさを加えるつもりでいる。

 今冬、Jクラブのキャンプ参加も経験した田中は注目GKでもある。身長184cm、80kg、胸板の厚さ、がっちりとした体つきは高校生離れしたもの。アスリート能力高さを活かしたセービングなども必見だ。

 キャンプではJリーガー相手にも特長を発揮。「キックも上手くいきましたし、自分結構身体能力がある方なので一瞬のタイミングで寄せたり、1対1で身体に当てたり、シュートを外させることができました」と振り返る。一方で、感じたのは目標とするプロと自分との差。クロスボールの判断、ポジショニング、守備範囲……目標とする世界に入るため、市立船橋にタイトルをもたらすGKになるためには改善しなければならないことがまだまだある。

 4月に開幕するプレミアリーグの目標はチャンピオンシップ制覇。「去年から経験させてもらっているメンバーが多い分、経験則があるのでスタートダッシュをきかせてぶっちぎりでチャンピオンシップに出られるようにならないといけない。そのためには自分の守備とかシュートストップを上げないと勝ち点を失ってしまう」。この日は後半のみの出場で2失点。もちろん納得はしていない。勝利、勝ち点を引き寄せる守備ができるチーム、GKになる。

(取材・文 吉田太郎)

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