[3.3 J1第2節 名古屋1-0磐田 豊田ス]

　新生名古屋グランパスの象徴だ。17歳DF菅原由勢が開幕戦に続くフル出場で、完封勝ちに貢献した。

　満員の豊田スタジアム。この日の観衆3万8916人は、豊田スタジアムで行ったリーグ戦では、14年5月3日のC大阪戦で記録した3万8966人に続く歴代2位の数字。今年の名古屋への期待の高さを伺わせる。

　わずか3か月前まで、菅原もサポーターと同じ目線でグランパスイレブンに声援を送っていた。U-18に在籍する菅原は、昨年12月に豊田スタジアムで行ったJ1昇格プレーオフの福岡戦を、ゴール裏から応援していたのだ。

「アップする前のあいさつの時は感慨深いものがありました。3か月後に自分が豊スタのピッチに立っているとは想像していなかった」

　試合入場の際に掲げられた赤と黄色のボード。それによって作られたコレオについても「僕もあれを上げていた立場。こんなにきれいに見えるんだと思った」と初々しく振り返った。

　ただプレーぶりをみれば、17歳、そして先発2試合目とは思えないほどの落ち着きぶり。名古屋に欠かせない選手になりつつある。「一分、一秒を無駄にしないようにとプレーしていた」。今、菅原が経験することに無駄なものは何もない。

(取材・文　児玉幸洋)

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