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元U-21伊代表医師がアストーリを襲った突然死を語る「10万人に1人が命落とす」

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ダビデ・アストーリが急逝し、イタリアでは波紋が広がった

 過去にU-21イタリア代表の医師を務めたカルロ・トランクイッリ氏が、イタリア紙『コリエレ・デロ・スポルト』のインタビューに応じ、突然死について説明した。

 3日深夜、31歳だったフィオレンティーナの主将でイタリア代表DFダビデ・アストーリが急逝し、イタリアでは波紋が広がった。アストーリは心臓機能のトラブルを抱えたことがなく、驚きの声が上がっている。

 特にイタリアでは法整備が進んでおり、1980年代からアスリートの健康チェックが行われ、先進国と見られていた。だがアストーリは定期的なメディカルチェックを受けていたにも関わらず、命を落とした。トランクイッリ医師は、突然死を100%防ぐことはできないと話す。

「検査で突然死のリスクを大幅に下げることはできるが、100%避けることはできない。我が国では法律で義務付けられているため、他の国に比べて検査はより幅広い。少なくとも6か月に1回はアスリートの健康状態をチェックしなければならず、クラブが責任を負わなければならない。イタリアでは、スクリーニングテストや試合前の選手のチェックにより、突然死のリスクは89%まで下げることができる世界でも数少ない国だ。だが残念ながら見逃されてしまう疾患もある」

 またトランクイッリ医師は、35歳以下のスポーツ選手の場合、約10万人に1人の割合で命を落としていると続ける。

「35歳以下のスポーツ選手では、肥大型心筋症など見つけにくい疾患が起こる可能性がある。これらの疾患を疑うことはできても、発見することは難しい。イタリアにおいてプロ選手は6か月に1回の検査を義務付けられているが、突然死のリスクは避けられない。残念ながら、統計上、35歳以下のアスリートでは10万人に1人の割合で発生している」

 ローマのトル・ベルガータ大学の心臓病専門医であるバレリオ・サングイーニ氏は、『トゥット・スポルト』に自身の見解を寄せた。

「イタリアの検査は世界最高レベルだが、レアなケースとはいえ見逃されてしまう疾患もある。残念だが不整脈は予測不能だ。夜間、プロのアスリートの心拍数はかなり低下する。40以下になることもあり、これが不整脈を誘発する要因でもある」

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