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衰えた守備力は歴戦の経験と精神力でカバー、ユーベのベテラン守備陣がリード守り切る

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ベテラン守備陣がトッテナムの猛攻を防いだ

[3.7 欧州CL決勝トーナメント1回戦第2戦 トッテナム1-2ユベントス]

 ホームでの第1戦を2-2で終えたユベントス。敵地での第2戦では強力攻撃陣を擁するトッテナムに苦戦し、ベテランの域に達している36歳のDFアンドレア・バルザーリと33歳のDFジョルジョ・キエッリーニは相手のスピードに振り回され、幾度とゴールを脅かされた。

 本来CBを主戦場とするバルザーリは右SBで、キエッリーニはCBで先発。しかし、それぞれがマッチアップしたFWソン・フンミンやFWハリー・ケインにスピードで振り切られると、前半39分には得点を奪われる。MFクリスティアン・エリクセンを起点とした攻撃でユベントスは守備網を裂かれるが、バルザーリがスライディングブロックでボールをはじく。しかし、PA左でDFキーラン・トリッピアーに拾われ、折り返しをソン・フンミンに決められた。

 イタリア国内の公式戦では10試合連続で完封勝利中のユベントスだが、前半は圧倒的に攻め立てられ、また攻撃も枠内シュート0本と追い込まれた。しかし、歴戦のベテラン守備陣は下を向かない。クラブ公式サイトによると、バルザーリは「ハーフタイムに何を話したか?自分たちを信じないといけないという事。逆境に立たされた時こそ、私たちは真価を発揮する」と勝利を諦めずに後半に臨んだ。

 智将マッシミリアーノ・アッレグリは後半15分過ぎに両サイドの選手を投入。左サイドのMFブレズ・マトゥイディに代えてMFクワドゥオ・アサモアを、DFメフディ・ベナティアに代えてDFステファン・リヒトシュタイナーを投入し、右SBのバルザーリをCBにしてリヒトシュタイナーを右SBに入れ替えた。

 すると、この采配が的中。後半19分、リヒトシュタイナーが起点となってFWゴンサロ・イグアインのゴールで同点に追いつく。同22分にはキエッリーニの後方からの縦パスをイグアインが収め、最終ラインを突破したFWパウロ・ディバラが逆転ゴールを決めた。

 リードしたユベントスは強固な守備ブロックで相手のPA進入を阻んでいく。しかし終了間際に最大のピンチ。ケインのヘディングシュートをブッフォンは触れず、そのままゴールに吸い込まれそうになる。するとボールはポストに当たり、すかさずベテラン2人が反応。バルザーリが大きくボールをクリアして危機を逃れた。ユベントスはそのまま2-1で勝利し、2試合合計4-3でベスト8進出を決めた。

 試合終了後、ベテラン2人が試合を振り返る。バルザーリは「なんて素晴らしい瞬間なんだ。我々は不可能がないことを証明した」と喜びを爆発。「最初の50分間は良くなかったが、その後プレーを改善して逆転することができた。頑張れば時には運も味方してくれる。試合の最後に相手のシュートがポストに当たったみたいにね」と勝利を噛みしめる。

 またキエッリーニは「考えていた通りの試合だった。前半は難しかったが、それも予想通りだ。私たちは信じることを止めなかった。まだチャンスがあることは分かっていた」と語る。「私たちはよくやったし、経験を示した。6年前なら今日のようなことを成し遂げる自信はなかっただろう。今夜は私たちの力を証明できた」と積み重ねた経験が勝利につながったことを明かした。

 序盤劣勢のユベントスの守備陣だったが、指揮官の交代策により逆転に成功すると一気に息を吹き返した。最盛期は終わって圧倒的な守備力とはいえないものの、その経験は錆びつかず。特にリードを奪ってからの立ち振る舞いは自信と迫力に満ち溢れていた。昨季の欧州CLでの雪辱を果たすため、キエッリーニは「これで夢が続いていく。難しい戦いになるが、我々は簡単には負けない」と目を光らせている。

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