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「何が転機になるか分からない」…岐阜DF長沼洋一、「『強い思い』は胸にしまい」成長を誓う

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[3.11 J2第3節 千葉2-3岐阜 フクアリ]

 まだ、不慣れなポジションだ。しかし、今は毎試合ピッチに立ち、課題を見つけては修正を施して自身の成長へとつなげていこうとしている。FC岐阜のDF長沼洋一は、前向きに右SBというポジションと向き合っている。

 開幕2試合連続で先発出場を果たした長沼だったが、チームは2試合連続の完封負け。しかし、下を向いている暇はない。「守備に重きを置きすぎて前に出ていく回数も攻撃に関わる回数も少なかった。今日はそこを意識した」と、第3節千葉戦でもスターティングメンバーに名を連ねてピッチへと向かった。序盤は千葉に押し込まれて前半25分に先制点を献上しながらも、同34分にはカウンターからFW田中パウロ淳一が決めて同点に追い付く。

 そして、後半13分には長沼の“前”への意識が得点を呼び込む。MF為田大貴のコントロールミスを見逃さなかった田中が奪った瞬間、「チャンスだと思ったので思い切り走った」と一気に右サイドを駆け上がる。田中のスルーパスをオフサイドギリギリで受けると、「一つ持ち運び、速いボールを入れたらチャンスになると思った」と深い位置まで運んでグラウンダーのクロスを供給。ボールはDF増嶋竜也に阻まれたものの、こぼれ球をMF永島悠史が蹴り込み、逆転となるゴールが生まれた。

 チームは後半34分に追い付かれながらも、同45分にMF風間宏矢が劇的な決勝ゴールを奪い、3-2の勝利を収めて今季初白星を獲得した。「2戦目までは得点できなかったけど、今日は3点取れた。まだシーズンは始まったばかりなので、これを続けていけばもっといい結果を出せると思う」と手応えを得たようだ。

 昨季途中、下部組織から育った広島から山形に育成型期限付き移籍をしたものの、3試合の出場にとどまった。「なかなかチャンスをもらうこともできず、不甲斐ない半年になってしまった」と振り返ったように、ピッチに立ったのはわずか29分だった。そして今季、「前でやりたい気持ちはある。けど、ポジションは前でも後ろでもいいので、とにかく試合に出ることが一番大事だと思った」こともあり、声をかけてくれた岐阜への期限付き移籍を決断した。岐阜で与えられたポジションは右SBとなったが、「プロとして与えられたポジションで結果を残していくのが、これからのサッカー人生で大事になるし、プレーの幅も広がっていく」と必死に取り組んでいる。

「今は右SBで結果を残していきたい。何が転機となり、何がターニングポイントになるかは分からない。このポジションで上り調子でやっていけるなら、右SBをずっとやりたいと思う」

 東京五輪世代の一人で、森保ジャパン初陣となった昨年12月のM-150杯、そして公式戦初戦となった今年1月のAFC U-23選手権に招集された(AFC U-23選手権は追加招集)。当然、2年後に訪れる大舞台に立つことは目標の一つだが、「今は岐阜で試合にコンスタントに出て、結果を残していくのが大事。その次に代表がついてくるものだと思うので、『強い思い』は胸にしまいつつやっていきたい」と、まずは岐阜での飛躍を誓う。

(取材・文 折戸岳彦)
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