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岡山U-18新指揮官は『鉄人』服部公太氏…プロ選手輩出へ「そのためにやっている」

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今季からファジアーノ岡山U-18の監督を務めている服部公太

[3.17 イギョラ杯 日大藤沢高0-2岡山U-18 小平]

 ファジアーノ岡山U-18は今季から、現役時代に『鉄人』として親しまれた服部公太氏が監督を務めている。サンフレッチェ広島のレジェンド的存在だが、現役最終年はファジアーノ岡山でプレー。縁のある土地で未来のプロ選手育成に奮闘している。

「プロサッカー選手を育てたいですよね。間違いなく、そのためにやっているわけですから」。言葉がひときわ熱を帯びてきたのは、クラブの未来に話が及んだ時だった。選手生活を過ごしたのは2012年の1年間だけだが、その年の岡山はプレーオフ争いに身を置いて初のJ2一桁順位を達成。それから5年、なおも着実な成長を続ける古巣に昨季から戻ってきた。

 U-18のコーチとして過ごした昨年度は、プリンスリーグ中国に初挑戦を果たしたものの、「ただプリンスに居るだけで、何もできなかった」という。監督として迎える2年目の今季は「安定して戦えるようになる」ことが目標。「自分たちとしてはプレミア参入戦に出場できるようになりたい」とさらに前を見据えている。

 高い目標を掲げるからには、それに見合った判断基準も持つ。この日は昨季インターハイ準優勝の日大藤沢高に2-0で勝利したが、「球際で軽く行かれている」「ボランチで挟み込めていない」と目の前の課題を丁寧に拾い上げ、「まだまだたくさん足りない部分があります」と強調していた。

 そんな真摯な仕事ぶりは、選手たちにもしっかりと伝わっているようだ。主将のMF佐々木啓太(2年)は試合後、「立ち上がりはパススピードが足りず、相手のリズムになってしまった。でも後半はピッチを幅広く使って、中盤のスペースでゆとりを持ってプレーできた」とよどみなく述べたが、その内容は指揮官の分析とまさに同じものだった。

「まずは岡山県のチームで一番にならないといけないし、中国地方で一番を目指していかないといけない。そして、クラブユースなどの全国大会で勝てるチームになりたいです」(佐々木)。トップチームに転機をもたらした鉄人が、今度は育成組織をさらなる高みへ導こうとしている。

(取材・文 竹内達也)

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