beacon

またも名古屋に注目17歳出現、“利き足右、利き手左”のMF成瀬竣平がJ1デビュー

このエントリーをはてなブックマークに追加

J1デビューを飾ったMF成瀬竣平

[3.18 J1第4節 名古屋0-1川崎F 豊田ス]

 1点を追う後半31分、FWジョーに代わってピッチに入ったのは17歳MF成瀬竣平だった。名古屋グランパスはここから試合終了まで、DF菅原由勢と成瀬の2種登録選手2人が同時に立ったメンバーで戦った。

「(風間監督からは)裏をどんどん狙って行けと言われていた。でも相手の守備が固くて、裏を取り切れなかった。パスのところや、コントロールのところでJ1のレベルに達していないなと思いました」

 成瀬は今年1月に17歳になったばかり。まだ名古屋グランパスU-18に在籍する選手だ。先月23日に菅原とともに2種登録され、3月7日のルヴァン杯浦和戦でトップチームデビューを飾った。

 一歩先を行く存在。同時登録された菅原は、今季J1開幕戦で史上2番目となる若さで先発デビュー。4試合連続でフル出場して、レギュラーの座を掴んでいる。

 中学生の時から切磋琢磨してきた好敵手。ただ菅原は昨年のU-17W杯に主力として出場。成瀬はメンバー入りを逃していた。「刺激になった」という出来事。「もっと頑張らないと。もっともっとがむしゃらにボールを追いかけて、貪欲に行きたいと思います」。

 利き足は右だが、利き手は左という変わり種。そのためか、左足のキックも苦にしていない。さらにSHからSBまでを器用にこなすことができ、プロデビュー戦では左SBで先発したが、途中で右SBに移動。2戦目は右FW。そしてリーグデビュー戦となったこの日は右FWで途中出場すると、途中で左FWにポジション移動した。

 風間八宏監督は成瀬について「どんどんトライしていい。一つひとつが経験になる」と評価。長い目で見守る方針を示している。ただ成瀬は「試合に出られたことは自信にしたい」と話すも、「プロではないので、何も始まっていない」と現状に満足していない。まずはトップ昇格を確定させることを目先の目標に置いている。

 成瀬も菅原同様、3か月前のJ1昇格プレーオフ決勝は、ゴール裏からJ1復帰を見届けた。そんな17歳が、わずか3か月で豊田スタジアムのピッチに立つというシンデレラストーリー。「活躍して、顔と名前を覚えて貰えたら嬉しい」。リーグ戦初黒星を喫した名古屋だが、彼ら若手の成長の糧になれば、敗戦も無駄ではなくなる。

(取材・文 児玉幸洋)
●[J1]第4節 スコア速報

TOP