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クラブが気がかり、それでも…高徳「来たからには頭を切り替えないと」

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追加招集のDF酒井高徳はこの日の練習から合流した

 単純に追加招集を喜べるような心境ではなかった。今月15日に発表された日本代表メンバー26人にDF酒井高徳(ハンブルガーSV)の名前はなかった。ハンブルガーSV移籍1年目で、まだレギュラーを確保できていなかった15年11月以来の落選。しかし、DF酒井宏樹、DF遠藤航というサイドバック2人がケガを抱えていることもあり、追加招集という形で合宿2日目の練習から合流した。

 気持ちはいったん切り替えていた。キャプテンを務めるハンブルガーSVは昨年11月26日のホッフェンハイム戦(3-0)を最後に14試合勝ちなし(5分9敗)。残留圏まで勝ち点7差の最下位に転落し、クラブ史上初の降格危機に直面している。

 今月12日には今季2度目の監督交代が発表され、U-21チームを率いていたクリスティアン・ティッツ新監督の下、17日のヘルタ・ベルリン戦(1-2)に臨んだ。しかし、状況は好転せず。だからこそ代表落選についても割り切り、「(代表活動中の)この2週間をチームに使える」と、あえてプラスに捉えていた。

「もともと自分はチームでしっかりやることが代表にとっても大事だと思っているタイプ。代表に戻ってくるためにも、またパフォーマンスを上げればいいだけだと思っていた」。そんな矢先の追加招集。「もちろん代表に呼ばれることはうれしいし、来たからには頭を切り替えないといけない」と話すが、その表情はいつになく厳しく、ハンブルガーSVの主将として苦悩する胸中がにじみ出ていた。

 とはいえ、ロシアW杯を3か月後に控え、日本代表としても個人としても大事な時期に行われるテストマッチの機会を無駄にするつもりはない。まして右サイドバック候補の2人に出場の目途が立っていないことを考えれば、自分自身の存在価値をアピールする絶好のチャンスでもある。「明らかに出場できる機会がありそうなチャンスだと思っているし、何かを見せたいと思う」。1部残留を懸けたシーズン終盤戦につなげるためにも、今は目の前に迫った試合に集中する。

(取材・文 西山紘平)

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