beacon

日本vsウクライナ 試合前日のハリルホジッチ監督会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加

会見場に入るバヒド・ハリルホジッチ監督

 27日のキリンチャレンジ杯でウクライナ代表と対戦する日本代表が26日、ベルギー・リエージュのスタッド・モーリス・デュフランで公式練習を行った。練習前にはバヒド・ハリルホジッチ監督が公式会見に出席した。

以下、ハリルホジッチ監督の会見要旨

バヒド・ハリルホジッチ監督
「ウクライナはマリよりさらにレベルの高いチームだ。W杯に惜しくも参加できない国だ。クロアチアとの2試合も見たが、素晴らしいプレーを見せていた。形の整ったいいチームだと思う。連動もしている。そのウクライナの攻撃と守備の特徴を本日、選手たちに見せた。非常に質の高いチームだ。この試合に向けて、選手たちには結果を求めた。前の試合(マリ戦)に関してはすべての面で満足しているわけではない。日本だけではないが、W杯が近づくと少し緊張感が高まっていく。その中でいろんな人のいろんな発言がある。少し発言が多いところはあまり良くないかなと思うが、それぞれが仕事を実行するだけだ。もちろん日本だけではないが、メディアはスキャンダル、話題になるものを常に探している。代表というのはどの国のものであっても聖なるものだ。我々のところで何か問題があれば、しっかり内部で解決するものだ。外部に対する発言はあまり良くない。

 W杯直前合宿の前の最後の活動だ。来日してから、できるだけ多くの選手に表現の場を与えてきた。最終予選だけでも43人の選手を招集している。少し多すぎるかもしれないが、さまざまな理由があって多くの選手を招集した。一番大きい理由はケガだ。本日の時点でも7、8人をケガで欠いている。これからは我々はしっかり一体感を持って進まないといけない。たくさんのスタッフがいて、選手がいる。団結していかないといけない。スタッフには日本人だけでなく、外国人もいるが、私たちも日本人の気持ちで挑んでいる。みなさんにも他のスタッフにもそのように扱ってほしい。3年間、ともに仕事をしてきた。難しいチャレンジが待っている。まだ準備はできていない。2か月後にどうなっているか。そこにはたくさんの要素が絡んでいる。私が先頭に立って、責任を持っていろんなことを促していかないといけない。しっかり準備したいと思う」

―マリ戦からどこをどう立て直すか。
「先ほども言ったが、たくさんのケガ人がいて、その影響もあるので、チームは常に変わっている。どのような選手が来られなかったかはみなさんもご存知だと思う。ケガをしてなければ、試合に出場していたであろう選手たちもいる。同時に選手を試したいという気持ちも私の中にある。例えば今回、3人の右サイドバックがケガしている。状況に強いられた変更も行っていかないといけない。このように変更点が多ければ、連動性は低くなる。30分の戦術練習で連動性をすべて高めるのは難しいところがある。内容が良くなければ『監督が良くない』『監督の言っていることが理解できなかった』という発言も出てくるかもしれないが、それはどのチームでも同じだ。W杯に向けて全員の理解を深めていきたい。

 戦術も技術もフィジカルの面でも前回の対戦相手より質の高い相手に対し、よりレベルの高い試合を見せたいと思う。大きなチャレンジであり、W杯出場が懸かっているぐらいの気持ちで臨みたい。このような試合で自信をつけたい。2か月後のほうがパフォーマンスは上がっていると思う。守備でも攻撃でも修正点があるからだ。メンタルの部分でも文句の付けようのない姿を見せないといけない。ブラジルも見た。ロシアにアウェーで3-0で勝ったが、点差がもっと開いていてもおかしくなかった。そのようなブラジルを見たが、あの試合のロシアより日本はブラジルにとって嫌なゲームをしないといけないと思った。選手たちには劣等感などのコンプレックスを持たないで、勝つことが不可能な試合はないという気持ちで挑んでもらいたい。そのような方向に向けての準備も必要だと思う。ベストメンバーで挑みたいが、その中で戦術的、フィジカル的な準備をして、トップコンディションまで上げていきたい。それができれば、結果を求めることができると思う。

 コロンビアも見た。まだ差があると思う。それをしっかり認識しながら自分たちが動かないといけない。全員が団結して、すべての面で一体となっていかないといけない。このような状況を私は見てきている。全員が目を覚まして、意識していかないといけない。その中での唯一の責任者は私だ。私が求めていることはハッキリしている。そこで成功できるかどうかはまだ分からない。コロンビアに勝ちたい気持ちがあったとしても、今日の時点で対戦すれば勝つのは幻想に近い。2か月後、どうなっているかは分からない。私はここでコロンビアに勝つとか、おとぎ話のような話をしたくない。自分たちの特徴、状態をしっかり認識しながらいかないといけない。W杯では何が起こってもおかしくない。いろんなことを起こせるということを認識させていきたい。選手たちが勇気を持って、意欲的に臨めるような状態をつくりたい。そのために多くの仕事が残っている。現時点での話だ。批判することは簡単で、みなさんが私を批判しても私は問題ないが、私はみなさんの前で選手を批判することはない。選手たちと直接話すときはいろいろな話をする。すべてはチームを良くしていくためだ。

 明日はチャレンジだ。いいチームとの対戦だ。我々よりランキングで上位の相手。来れなかった選手もいるかもしれないが、ワールドレベルだと思う。そのチームに対して勝利という結果を残したい。格上だと言われている中でトライしないといけない。そういったことを求めたい。それを理解してもらいたい。相手が190cmだったとしても競り合いで勝つことはできる。そのようにトライしていきたい。みなさんは私の性格をご存知だと思う。私は慢性的に不満を抱えている監督だ。なぜなら常に勝利に飢えているからだ。私のこの姿が他の人に対するプレッシャーだと感じる人もいるかもしれないが、プレッシャーのないW杯は存在しない。プレッシャーがある中でしっかり見せていかないといけない。私も批判されたら、さらに見せたいと思う。最終予選の1試合目のあと、敗退したかのような雰囲気になった。その状況を今も私は忘れられない。しかし、私は生き残っているし、最終予選を首位で終えることができた。選手には同じように勇敢に挑んでもらいたい。プレッシャーはこれからさらに強くなる。その中でしっかり責任感を持って、全員に行動してもらいたい。そのような形でチーム全体で前進していきたい。以前にも言ったが、私の夢は銀座でパレードすることだ。そのためは成功しないといけない。いいゲームをして成功する。そういった夢を抱いている。約束はできない。まだまだ銀座からは程遠い状況だ。地理的にも、目標としても遠い状態だ。日本代表監督としてそう思っている。チーム全員で銀座でパレードできる日を夢見ている」

―ファンのためにもチームのためにも勝つことが必要だが、勝つためのポイントは。
「選手とも話をして、W杯出場を決めるような試合、そのような気持ちで挑むと話した。(W杯まで)まだ2、3か月あると考えている人もいるかもしれないが、もうすでにW杯に挑んでいる気持ちを持ってほしい。私も責任を持って行動するが、チャンスが訪れた選手にもしっかり責任を持って行動してもらいたい。同じ船に乗っているからだ。勝利することができれば、みんなにとっていいプレゼントになる。メンタル的な準備という意味で我々をブーストする要素になるかもしれない。これが終われば、W杯前に3試合プレーすることになるが、その1試合1試合でしっかり結果を求めていかないといけない」

(取材・文 西山紘平)

★日本代表など参加32チームの最新情報をチェック!!
2018W杯ロシア大会特集ページ
★全64試合の日程&テレビ放送をチェック!!
2018W杯ロシア大会日程&TV放送

TOP