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先を行くライバル、旧友から「刺激もらった」高校選抜MF青木、世界で彼らに負けない活躍を

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日本高校選抜MF青木真生都は東福岡高時代のチームメートたちに負けない活躍を目指す

 先を行くライバルに離されずについていく。第56回デュッセルドルフ国際ユース大会(29日開幕、ドイツ)に出場する日本高校選抜は、オランダでの練習試合2試合を経て28日にドイツ入り。MF青木真生都(東福岡高→関西大)は東福岡高1年時の北アイルランド遠征以来となる海外遠征で自分らしく落ち着いたプレーができているという。

「高1の時に海外遠征を一回経験していて、その時は何もできなくて、その時のことを考えながらやっていたら結構落ち着いて、普段日本にいる時よりも落ち着いてやれている。相手の足長いなとか、当たり強いなとか感じるのはあるんですけれども、結構余裕を持ってやっています」

 162cmと小柄ながら、名門・東福岡の1ボランチとしてゲームをコントロールしてきた高体連屈指の司令塔。オランダでは得意の一発で局面を変えるサイドチェンジの本数を増やすことにも成功しているとのことで、デュッセルドルフ国際ユース大会ではミドルパスやスルーパス、コンビネーションからゴール前へ飛び込む動きで結果に繋げたい考えだ。

 ここまで高校選抜の試合では、チームの攻撃のスイッチを入れる際に青木をボランチ投入することが多い。青木は出場時間をより増やすためにもピッチに立った際には流れを変えるプレーや、ゲームの流れを読んで試合を締めることを目指す。その中で、本人はあくまで自然体の構え。「色々慌てちゃって普段の力出せないのが一番もったいないので、外国人の選手見て凄いなとは思うんですけれども、深く考えすぎないこと」と自分の間合いで海外にチャレンジしていくつもりでいる。

 ライバルの活躍は刺激になっている。東福岡で3年間チームメートとして過ごし、ともに福岡3冠や国体優勝を成し遂げているMF福田湧矢がG大阪の一員としてJ1開幕先発デビュー。青木は高校時代、福田をライバル視し、上回るための努力をしてきた。それだけにプロ入り、プロデビューを果たした旧友の活躍が嬉しい反面、悔しい思いも持っている。

「正直ビックリしています。出るかもしれないというのは開幕前から聞いていましたが、まさか本当に出るとは思っていなかったので。ルヴァンのサンフレ戦を見に行きましたけれども、ちょっと刺激もらったというか、一気に遠くなった感じですね」と苦笑する。

 ただし、関係者の中には青木を高くする評価があることも確か。ライバルから刺激を受けたMFが、高校選抜の活躍をきっかけに年代別代表や大学選抜に駆け上がる可能性は十分にある。

 同じく東福岡時代のチームメートで現在、岡山でブレイク中のCB阿部海大は昨年、高校選抜の一員としてデュッセルドルフ国際ユース大会に出場。同大会のベストDF賞を獲得している阿部から、青木はエールを受けている。「アイツはベストDFになっている。選抜行く前に自分も負けないようにと(阿部)海大と話しました。(阿部からは)絶対にやれると思うので、頑張ってこいと言われました」。青木にとってもプロは目標とする世界。そこで先を行く旧友、ライバルに負けない活躍を、“ヒガシの司令塔”が29日のスタンダール・リエージュ戦からしてのける。

(取材・文 吉田太郎)
●2018日本高校選抜欧州遠征特設ページ

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