beacon

“青森山田の代表”として世界と戦うCB蓑田「持ち味は出せた」。目標は連続無失点とベストDF獲得

このエントリーをはてなブックマークに追加

CB蓑田広大(青森山田高→法政大)は当たりの強さと素早いカバーリングで完封勝利に貢献。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[3.29 デュッセルドルフ国際ユース大会予選リーグ スタンダール・リエージュ 0-2 日本高校選抜]

「(青森)山田は結果出せなかったですけれども、山田は(高いレベルの戦いで)やれる選手が多い。自分は山田の代表として来ているので、そういう面でも山田はやれる選手が多いチームだと出せたと思います」。

 16年度にプレミアリーグと高校選手権の2冠を獲得している青森山田高だが、17年度は夏冬ともに全国ベスト16で敗退。プレミアリーグEASTで高体連トップの3位に入ったものの、チームとしては満足の行く結果を残すことができなかった。

 だが、青森山田にはもっと全国トップレベルで活躍できる選手がいると、各選手は思っていたようだ。すでに神戸のルーキーMF郷家友太がJ1で先発出場して活躍し、同じくルーキーのFW中村駿太も山形で出番を得るために努力を続けている。そして、高校選抜にはCB蓑田広大(青森山田高→法政大)と左SB佐藤拓海(青森山田高→神奈川大)の2人が食い込んだ。

 この日の第56回デュッセルドルフ国際ユース大会初戦で蓑田が先発フル出場。外国人選手相手にファーストプレーで強く行くことを決めていたという蓑田は、身体を激しく当てて、相手に思い通りのプレーをさせない。そして「相手は中盤やCBの選手が前を向いたらすぐに(前線の選手が)裏抜けしてくるので、背後を消すということを考えてプレーしていました」という蓑田は反応の速いカバーリングでピンチの芽を摘み続けた。

 前半終了間際にサイドから立て続けにクロスを上げられ、決定的なシュートを打たれるなどピンチがあったことは確か。それでも蓑田は「自分的には対人の強さとか、ファーストプレー、前への強さっていうのは自分の持ち味だと思っているので、その持ち味は出せたと思います。(個人的には)通用したと思います」と語り、冒頭の言葉のように青森山田の選手が世界で戦えることを示せたことを喜んだ。

 蓑田は郷家や中村だけでなく、中学時代のチームメートのプロ入りも刺激にしている。大豆戸FCジュニアユース(神奈川)でチームメートだった左SB山口竜弥が東海大相模高からG大阪入り。蓑田は「(山口は)選手権で対戦したい相手は自分とか言っていたんですけれども、彼に先越されたので本当にそれは悔しいです。自分は大学で4年間頑張ってプロの世界に行きたいと思っているので、一緒の舞台に立ってここまで来たぞと見せたい」と誓う。

 その第一歩となるデュッセルドルフ国際ユース大会。蓑田は欧州遠征3試合連続の無失点を続けること、そして1年前に同世代のCB阿部海大(東福岡高→岡山)が獲得したベストDF賞獲得を目標に掲げた。「同世代で去年取られているので、今年は自分が取りたいです」。

 昨年、高校選抜の指揮を執った青森山田の黒田剛監督から、蓑田は「行くからにはしっかり結果を残してこいと言われた」という。“青森山田の代表”はチームとして、個人としても結果を残して、4年後のプロ入りへの第一歩を刻む。

(取材・文 吉田太郎)
●2018日本高校選抜欧州遠征特設ページ

TOP