beacon

高校選抜CB生駒、U-19代表指揮官の前でアピールの完封勝利も一本を猛省

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本高校選抜のCB生駒仁(鹿児島城西高→横浜FM)は完封勝利も“一本”を猛省

[3.29 デュッセルドルフ国際ユース大会予選リーグ スタンダール・リエージュ 0-2日本高校選抜]

 ベルギーの名門、スタンダール・リエージュをほぼ完璧に封じていたように映った。だが、日本高校選抜のCB生駒仁(鹿児島城西高→横浜FM)は自己評価について「今日は半分くらいですかね」と厳しめの採点。理由は終盤の一つのプレーにあった。

「自分的には最初は全然行けていた感じがあるんですけれども、後半の最後、集中が切れていたというのが自分の中であります。全然集中していたつもりなんですけれども、最後自分の頭を越されたシーンが一回あった。その一回でやられるので最後まで集中しなければいけないと思いました」

 相手FWとの競り合いについては「負けているという印象は自分の中ではあまりないです」と振り返ったように、185cmの高さを活かしたヘッド、球際の強さで跳ね返し続けていた。前半終了間際などサイドから決定的なラストパスを通されるシーンもあったが、よく凌いで無失点。だが、自身が集中しきれていなかった1本でやられる可能性もあった。これがプロ相手であれば、失点の可能性は高まる。それだけに、生駒はその1本を猛省していた。

 生駒は今回、世界を相手に真剣勝負できる機会を今後へ向けた貴重な経験と捉えている。「世界の良い選手たちとできる。若い時期からこういう経験ができるのは自分にとってもプラスかなと思います」。オランダではチーム練習の他に、宿舎のジムに通って意識高く調整してきた。プロ意識の高さをピッチ内外で見せている生駒は、全力で海外の選手に挑戦し、一本に集中し続けてチームの優勝に貢献する意気込みだ。

 この日はU-19日本代表の影山雅永監督が視察。招集経験のある選手たちや新戦力候補のプレーに目を光らせていた。その中で生駒のプレーについては好印象だった様子。「安定してきていて、最後の最後にちゃんとしたポジションから足元のシュートを防いだりできるし、この大会でも成長すると思う」と期待していた。

 昨年は怪我の影響でトップコンディションでプレーする機会を増やせず、代表チームで主力になることができなかったが、世代トップレベルのCBであることは間違いない。生駒は「(U-19日本代表に)入りたいという気持ちはありますけれども、今置かれている場所で結果を残せばおのずとついて来るものだと思うので、一生懸命やるべきことをやるだけかなと思います」。目の前の試合で全力プレーを貫き、チームの勝利に貢献するだけ。彼の言葉通りにそれが実現できれば、今後の可能性は自然と広がっていくはずだ。

(取材・文 吉田太郎)
●2018日本高校選抜欧州遠征特設ページ

TOP