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選手権予選敗退から高校選抜入りのMF田中雄大、「仲間のためにも結果を残したい」

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仲間の思いも背負って戦う日本高校選抜MF田中雄大(桐光学園高→早稲田大)

 日本高校選抜は第96回全国高校選手権大会の優秀選手を中心としたメンバーで欧州遠征を行い、29日から第56回デュッセルドルフ国際ユース大会(ドイツ)に臨んでいる。高校選手権で活躍した選手たちは優勝すること、今後のサッカー人生に繋がる遠征にすることなどを目指してそれぞれが取り組んでいるが、また違うモチベーションの持ち主も。その一人が高校選手権神奈川県予選決勝で敗れて全国出場を逃し、計7人の予選敗退選手を含めた1次選考会から高校選抜入りを果たしたMF田中雄大(桐光学園高→早稲田大)だ。

 抜群のテクニックと圧倒的な切り替えの速さを特長とし、U-18日本代表歴も持つ実力者の田中は「(選手権に)出ていなくても、これだけやれるんだということを示せれば」と意気込む。個人として結果を残したいという強い思いを抱いているが、それ以上にあるのは桐光学園の仲間たちのために戦うという思いだ。

 桐光学園のチームメートの中には、1年間の目標として高校選抜に入ることを掲げていた選手もいたという。高校選手権に出場して勝ち上がっていれば、桐光学園から多くの選手が高校選抜入りしていたかもしれない。だが、予選敗退したことによって彼らが高校選抜入りする可能性はなくなってしまった。

 田中は「選手権で勝ち上がっていれば(高校選抜入りという)その目標を達成する可能性もあったと思うんですけれども、(桐光学園だけでなく他の)そういうチームの中でも高校選抜とか入れなかった選手もいると思うので、その分も背負って、最後仲間のためにも結果を残したい」と力を込めた。

 高校選抜としての目標は優勝。自分は先発でも交代出場でもチームに貢献する働き、そしてゴール、アシストを目指す。29日に行われたスタンダール・リエージュ(ベルギー)との初戦では後半途中出場。2-0の状況だったため、チームのバランスを崩すような仕掛けは自制したが、展開によっては細かいタッチのドリブルで仕掛けてシュート、ラストパスを狙うつもりでいる。結果の重要性を理解しているからこそ、それへのこだわりも強い。

「本当に結果残さないと、スタメンでも出られない。出た時間でしっかり結果を出したい。最近、高校時代よりも点取れるイメージがあるし、周りも上手くてしっかりパスも出てくるので、ボールが出てきたら自分のできることをやる。今が一番点取りたいという気持ちが強いです。それがアピールになると実感しているし、目に見える結果が上に行くためには必要かなと思っています」。高校選抜選考合宿では貴重なゴールでアピールし、26日のユトレヒト(オランダ)との練習試合でも得点。再びゴールを決めて、チームに貢献するか。

 田中は昨年、桐光学園の主将、大黒柱の役割を担っていたが、特に夏まで結果が出なかった。それでも高校の先輩で元U-18日本代表CBの諸石健太から「一番苦しい時に何ができるのかで変わる」と助言され、チームが苦しい時に誰よりも走るようになった。負けている状況では持ち場を離れて単騎で相手を2度追い、3度追いしてチームを鼓舞することも。その姿勢が接戦での勝利や、逆転でのプリンスリーグ関東残留などに繋がったと感じている。高校選抜でも苦しい時に流れを変えるようなプレーをする意欲。仲間の思いも背負ってプレーするMFが、予選リーグ第2戦(31日)のエバートン(イングランド)戦や今後の試合を全力で走り抜く。

(取材・文 吉田太郎)
●2018日本高校選抜欧州遠征特設ページ
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