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[船橋招待]桐光学園、新1年劇的ループの京都橘とドロー…U-16代表FW西川はさすがの先制弾

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後半アディショナルタイム、京都橘高FW永井友也(新1年)が同点ループ弾

[3.31 船橋招待U-18 桐光学園高1-1京都橘高 タカスポ]

 第23回船橋招待U-18サッカー大会は31日、千葉県船橋市内の2会場で大会2日目を行った。高瀬下水処理場上部運動広場(タカスポ)での第6試合は桐光学園高(神奈川)と京都橘高(京都)が対戦。共にプリンスリーグ上位をうかがう両者の一戦は終盤に点を取り合い、1-1で引き分けた。

 立ち上がりから共にゴールに迫る場面が少ない中で、先にチャンスをつくり出したのは桐光学園だった。前半16分、左サイドを攻め上がったFW佐々木ムライヨセフ(新2年)のクロスに対し、ファーサイドでFW鷲塚蓮(新3年)が頭で落とすと、MF松永陽平(新3年)がシュート。DFに当たったこぼれ球をMF押田莉南(新3年)がダイレクトで狙ったが、GK郷田凪砂(新1年)がしっかりキャッチした。

 対する京都橘はボランチのMF佐藤陽太(新2年)とMF志知遼大(新2年)がセンターサークル付近でスペースを探しながら、高い位置を取る両サイドバックへの展開で前進をもくろむ。しかし、ゴール前の局面では桐光学園DF望月駿介(新3年)が中心となって阻止。ともに決定機はなく、スコアレスのまま前半25分を終えた。

 後半は互いに2試合目の消耗も考慮し、複数のメンバーチェンジを敢行。桐光学園はベンチスタートとなっていたU-16日本代表FW西川潤(新2年)を投入した。すると6分、敵陣で前を向いた西川が単独突破から右足シュートでゴールを脅かし、さっそく違いを見せつけた。

 ところが、京都橘も徐々に前に出られるようになる。後半9分、最終ライン裏に抜け出したFW山田剛綺(新3年)のシュートはGK宍戸凜(新3年)にセーブされるも、同16分には神戸U-15伊丹から加入したばかりのFW永井友也(新1年)を投入し、攻撃が活性化。最前線で自慢のスピードを生かしたルーキーがカウンターで見せ場をいくつかつくった。

 それでもスコアを動かしたのは、来年のU-17W杯を目指す世代別代表のエース候補だった。後半23分、途中出場で再三ドリブル突破を見せていたMF阿部龍聖(新3年)がスルーパスを送ると、フリーで抜け出したのは西川。郷田との1対1を冷静に制して、しっかりとゴールネットに流し込んだ。

 しかし、最後にさらなるドラマが待っていた。後半アディショナルタイム、京都橘は山田が浮き球のスルーパスを前線に放り込み、凄まじい速さで走り込んだ永井がPA左寄りでボールにアプローチ。飛び出してきたGKを華麗に越えるループシュートを狙うと、追いかけた守備陣はクリアできず。京都橘が新1年生の殊勲弾で追い付くことに成功し、そのまま1-1でタイムアップを迎えた。

 最終盤の失点で勝利を逃した桐光学園の鈴木勝大監督は「まだまだ波がある」とチームの現状を説明。その一方、まだ万全とは言えないコンディションが整っていけば「技術は高いし、後ろの選手もいるので可能性を感じる。安心して入れられる枠が増え、トーナメントで怪我人が出ても埋めることができる」と抱えている戦力に期待を寄せている。

 そして、なんといっても「次元が違ってきましたね」(鈴木監督)という西川の存在が大きい。新2年生ながらJクラブのスカウトが目を光らせる逸材は、1週間後に開幕を控えるプリンスリーグ関東の目玉候補筆頭。開幕から前橋育英高、横浜FMユースという厳しい相手との対戦が続くが、絶対的エースが君臨する神奈川の名門校は「どこがプレミアに上がっても良いし、どこが落ちてもおかしくない。そんなリーグでもまれて、インハイと選手権に臨んでいく」と前向きに挑んでいく構えだ。

(取材・文 竹内達也)

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