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右SB後藤田が後半ラストプレーで同点弾!日本高校選抜がエバートンと執念のドロー!!

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後半終了間際、日本高校選抜の右SB後藤田亘輝(前橋育英高→青山学院大)が劇的な同点ゴール!(写真協力=高校サッカー年鑑)

[3.31 デュッセルドルフ国際ユース大会予選リーグ エバートン 1-1 日本高校選抜]

 日本高校選抜、執念のドロー! 第56回デュッセルドルフ国際ユース大会は31日、予選リーグ2日目を行い、日本高校選抜はエバートン(イングランド)と対戦。0-1の後半ラストプレーで右SB後藤田亘輝(前橋育英高→青山学院大)が同点ゴールを決め、1-1で引き分けた。1勝1分の日本高校選抜は4月1日の予選リーグ最終日にブレーメン(ドイツ)、大会4連覇中のザルツブルグ(オーストリア)とそれぞれ対戦する。

 殊勲の後藤田が「自分の覚えている限り、1年以上(ゴールを)獲っていない。久しぶり過ぎて、記憶にないくらい」と微笑むゴールが日本を救った。敗戦目前の後半ラストプレー。日本高校選抜は左CKのクリアボールをPAへ放り込む。そして右エンドライン方向へ流れたボールを交代出場のFW佐藤颯汰(日章学園高→北九州)がクロス。同じく交代出場のFW荒木駿太(長崎総科大附高→駒澤大)が折り返すと、最後は後藤田が「前にコースが見えたのでしっかりと。完全に置きに行きました」と右足で同点弾を流し込んだ。

 日本イレブンが執念で決めたゴールを喜ぶ最中に試合終了のホイッスル。エバートンはピッチに座り込んで悔しがり、貴重な勝ち点1を挙げた日本は多くの選手、スタッフがホッとした表情を見せながらピッチを後にした。

 日本の先発は2-0で快勝したスタンダール・リエージュ(ベルギー)戦と同じ11名。4-4-2システムのGKが薄井覇斗(流通経済大柏高→流通経済大)で4バックは右SB後藤田、CB蓑田広大(青森山田高→法政大)、CB生駒仁(鹿児島城西高→横浜FM)、左SB角田涼太朗(前橋育英高→筑波大)。中盤はMF田部井涼主将(前橋育英高→法政大)とMF宮本優太(流通経済大柏高→流通経済大)のダブルボランチで右MFが井上怜(市立船橋高新3年)、左MFが菊地泰智(流通経済大柏高→流通経済大)、2トップは町野修斗(履正社高→横浜FM)と飯島陸(前橋育英高→法政大)がコンビを組んだ。

 エバートンは時に日本選手の足ごと刈るような激しいタックル。そして個々の身体の強さを活かしたボールキープから縦へのロングボールを入れて起点を作ろうとしてきた。日本は生駒や蓑田が良く跳ね返していたものの、セカンドボールの多くを拾われて押し込まれる展開に。攻撃については平野監督が「僕らがベンチから見ている以上にプレッシャーを感じていたかも知れない。1タッチ2タッチで相手が『行っても無駄だな』と思うくらいにやらないと厳しいですよね。行っても獲れないというくらいにしなければいけない」と首をひねっていたが、相手の寄せの速さに苦しんだ部分や、慌ててしまう部分があって1タッチ、2タッチのパスを繋ぐ良さやサイドを活かした攻撃がなかなか見られない。

 10分には左サイドでインターセプトした菊地がそのまま持ち上がって左足シュート。強烈な一撃はGKの手をかすめてクロスバーをヒットする。さらに17分には井上のパスから町野がPAへ潜り込む。だが17分には背後を取られて、GK薄井のファインセーブに救われるシーンも。その後、町野を1トップにした4-5-1へシステムを変えて距離間良くパスを動かし、ラストパスを狙ったが、難しい戦いになっていた。

 後半5分には井上を荒木へチェンジ。8分には左スローインから田部井が左足シュートを放ち、さらにアーリークロスなどからシュートを狙う。だが15分にDFラインからのバックパスをインターセプトされ、サポートしようとした薄井がPA内でファウル。このPKを決められて先制された。日本は直後に町野に代えて佐藤颯を投入。左の角田と菊地、右の後藤田と荒木がアーリークロスを狙い続けたことがエバートンのクリアを乱す。

 21分には生駒の好パスを起点に攻め上がった角田が中央へ正確なラストパス。これを飯島がダイレクトで叩いたがGK正面を突いてしまう。エバートンが25分ハーフのゲームを終わらせようと狡猾に時間を使おうとする中、諦めない日本はCKや宮本のロングスローも交えて猛反撃。最後まで攻め抜いたことが劇的な同点ゴールに繋がった。

 平野監督は常々、「来ていない5人の分も戦う」と口にしてきた。GK濱田太郎(初芝橋本高)、DF石井優輝(昌平高)、DF嶋中春児(長崎総科大附高)、MF梅津凌岳(京都橘高)、FW圓道将良(旭川実高)の5人は2月の「NEXT GENERATION MATCH」や強化合宿で、今回のデュッセルドルフ国際ユース大会に出場している18人とともに活動。欧州遠征に関してはバックアップに回ったが、彼らも日本高校選抜メンバーだ。

 後藤田は「みんなで最初一緒に戦っていて、来ていない選手も悔しい思いをしていると思う。彼らのためにも頑張りたい」。5人のため、そして全国4,000校を超える高校サッカー部の代表として戦う日本高校選抜。この日はその責任感と意地が、執念の同点ゴールを生み出した。苦戦でもぎ取った勝ち点1を必ず予選リーグ突破に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
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