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高校選抜FW荒木が同点アシスト。欧州で長崎総附のライバル、「瑞季を越せるように」

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日本高校選抜のFW荒木駿太(長崎総科大附高→駒澤大)は同点ゴールをアシスト。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[3.31 デュッセルドルフ国際ユース大会予選リーグ エバートン 1-1 日本高校選抜]

 冷静な判断が同点ゴールに繋がった。後半終了間際、日本高校選抜は左CKのクリアボールをMF菊地泰智(流通経済大柏高→流通経済大)がPAへ放り込む。ボールは右サイド方向へ流れたが、FW佐藤颯汰(日章学園高→北九州)がエンドライン際からクロス。これをファーサイドのFW荒木駿太(長崎総科大附高→駒澤大)が冷静に頭で中央へ折り返し、最後は右SB後藤田亘輝(前橋育英高→青山学院大)が同点ゴールとなる一撃を流し込んだ。

 日本高校選抜が喜びを爆発させる最中に試合終了の笛。土壇場で勝ち点1をもぎ取った日本高校選抜は、グループ首位として予選リーグ最終日(4月1日)を迎えることになった。平野直樹監督(履正社高)も「次に繋がる得点」と評したゴールを演出したのは、交代出場のFW荒木だ。

 佐藤颯のクロスに対し、当初は胸トラップからの右足シュートを打ち込むことを考えたのだという。だが、「最後の最後で負けていたし、(角田)涼太朗と(後藤田)亘輝が中にいるのが見えたので、どっちか決めてくれればいい」とダイレクトで中央へ折り返すことを選択。角田が囮になる形で後藤田にボールが入り、起死回生のゴールが生まれた。

 29日のスタンダール・リエージュ戦は試合終盤からの出場だった荒木だが、この日は後半5分からピッチに立った。「ボールを持った時にプレス激しいけれども、獲られる気がしない。ずっと練習してきたので通用しているのかなと実感しています」という荒木はボールをキープする部分と走力を活かしたハイプレス、そして精度が上がってきているというプレースキックでチームに貢献。そしてアシストを記録したFWは、「FWなんで点を決めて勝ちたいというのがあったんですけれども、負けじゃなくて勝ち点が獲れて良かった」と最低限の仕事ができたことを喜んだ。

 長崎総合科学大附高時代から意識しているライバルがいる。それはC大阪入りした“高校ナンバー1ストライカー”FW安藤瑞季だ。昨年は注目された安藤がインターハイや選手権の大事な場面でゴールを決めるなど勝負強さを示す一方、荒木もプリンスリーグ九州で14得点を挙げて得点王を獲得し、インターハイでは2試合連続2得点の活躍。負けじと結果を残してきた。

「瑞季も(U-19)代表で点また決めたし、自分も点を決めたい。瑞季を越せるようにずっと頑張ってきた」と荒木。この日は同点ゴールを演出したが、昨年のデュッセルドルフ国際ユース大会で安藤は1得点しているだけに、「アイツが1点獲っているので無得点では終われないです」と残り“最大4試合”での逆転を目標に掲げた。

 自身にとって初の海外遠征はピッチ外でイジられ役に。「みんな優しいですし、1試合でも多くみんなでサッカーをやりたい。4試合やって、優勝して終われれば最高だと思います」と語る。より充実した遠征にするためにも欲しいのはゴール。「一番の理想は自分のドリブルで1人2人かわしてシュート。泥臭さもあると思っている」という荒木が“ライバル超え”へ判断良くシュートを決めて、高校選抜の仲間たちとゴールを喜ぶ。

(取材・文 吉田太郎)
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