beacon

「1年以上獲っていない」右SB後藤田が世界で躍動!劇的同点弾の次は“4人抜きゴール”

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半12分、日本高校選抜は右サイドから仕掛けたSB後藤田亘輝(前橋育英高→青山学院大)が同点ゴールを奪う。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[4.1 デュッセルドルフ国際ユース大会予選リーグ 日本高校選抜 1-1 ザルツブルク]

 前日のエバートン(イングランド)戦では後半ラストプレーに劇的な同点ゴール。試合後に「(ゴールは)ずっと獲っていないですね。自分の覚えている限り、1年以上獲っていない。久しぶり過ぎて記憶にないくらい」と苦笑していた日本高校選抜の右SB後藤田亘輝(前橋育英高→青山学院大)が、本人も驚く2日連続のゴールを決めた。それも負ければ予選リーグ敗退の可能性もある大一番。4連覇中の王者・ザルツブルクにリードされている状況で“4人抜き”の鮮烈ゴールを決めた。

 0-1の後半12分、日本高校選抜は敵陣右サイドでFW佐藤颯汰(日章学園高→北九州)とMF田部井涼(前橋育英高→法政大)が相手ボールを奪い取って後藤田へ繋ぐ。奪われた後にそのまま右横からボールを奪い返しに来た相手選手と左側から寄せてきたもう一人の間へ巧みにボールを持ち出して振り切った後藤田は、「スピードに乗った状態だったら相手も結構足出してくれる。届かない位置に出せば抜けれるかなと」さらに足の止まったDF2人の間を抜け出す。

 荒れたピッチで弾んだボールをコントロールした後藤田はさらに前進。左にはFW町野修斗(履正社高→横浜FM)がサポートしており、「シュート打つ前ギリギリまで(パスを出すか)迷っていた」という後藤田だったが、シュートを打つことで“何か”が起こることを期待して右足を振り抜く。

 これがファーサイドのゴールネットに突き刺さるファインショットになった。エバートン戦の後藤田、ブレーメン(ドイツ)戦の左SB角田涼太朗(前橋育英高→筑波大)に続いて日本は3試合連続でSBがゴール。「アタッキングゾーンで目指すべきはポジション関係なくゴール」という平野直樹監督(履正社高)の言葉を表現するようなプレーで後藤田は再びチームを救った。

「今まで入れられていなかったので、ここで2発入れるとは思っていなかった。本当に持っているなという感じです」。エバートン戦やブレーメン戦はなかなか攻め上がるシーンが見られなかったが、このザルツブルク戦の後半は非常にアグレッシブな攻め上がり。本人も前へ出るプレーができたことに納得の表情を見せていたが、その姿勢が同点ゴールのきっかけになった部分も大きいだろう。

 個人的にも成長を実感しているデュッセルドルフ国際ユース大会での戦い、そして日本高校選抜としての戦いもあと1日。後藤田は「あと2戦しかこのチームではできない。この仲間とやれる貴重な機会を大切にして、最後勝って終わりたいですね」。大一番で“ゴラッソ”を決めた右SBは今後も前向きなプレーを心がけ、優勝して仲間たちと再び歓喜の瞬間を迎える。

(取材・文 吉田太郎)
●2018日本高校選抜欧州遠征特設ページ
★日本高校選抜の活躍を プーマ フットボール公式Instagram アカウント でもチェック!

TOP