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[MOM2461]常葉大橘MF水野颯太(3年)_変貌遂げる『絶対的エース』が意地の一撃

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決勝点をマークした常葉大橘高MF水野颯太(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.1 第2回 GACH1-TR CAMP in東海 中部大一高1-2常葉大橘高 ホンダ細江グランド]

 残り5分を切ったタイミングで同点弾を献上。引き分けムードが漂う中で奪った常葉大附属橘高のMF水野颯太(3年)が決めた勝ち越しゴールは、エースとしての意地を感じる一撃だった。

 1年次には国体選抜のメンバー入り。今年も3月に行われた「ヤングサッカーフェスティバル」に静岡県U-18選抜の一員として挑んだ水野だが、テスト色の強かったこの日はベンチスタート。相手に押し込まれ始めた後半途中からの出場となった。「ピンチが続いていたので、一点獲って流れを変えようと思っていた」水野だったが、後半19分に放ったミドルシュートはクロスバーに阻まれ、ゴールとはならず。以降も惜しい場面を作りながら、2点目を奪えずにいると、26分に同点ゴールを許した。

 だが、気落ちすることなく、持ち前のスピードに乗ったドリブルを続けると、28分にはFW池田覇人(2年)のパスからPA左を飛び出し、決勝点をマーク。「DFの背後に飛び出したら、良いボールが来た。決めることができて良かった」と安堵の表情を見せるとともに、「昨日も自分が決めれなかった後にピンチになる試合があった。ちゃんと決めていれば楽に勝てていたと気付けたのは収穫」と大会を振り返った。

 絶対的なエースとして迎える今年にかける想いは強い。2年生ながら主力として挑んだ昨年度の選手権はベスト32でPK負けを許し、「シュートが打てず、何もできなかった。めちゃくちゃ悔しかった」。だが、敗戦を機にプレーに変化が生まれる。これまでは縦への突破からのクロスが持ち味のチャンスメーカーだったが、選手権後は自ら決められる選手への変貌を目指し、2年前に県1部リーグで得点王となったFW渡辺幹太(神奈川大)を参考に、自らが納得いくまで自主練でシュートを繰り返しているという。「シュートに対してどん欲になってきた」と口にする成果が、この日の決勝点に繋がったのは間違いない。

 成長はシュートの部分だけではない。新井裕二監督が評価するのは、守備の部分。「右も左もドリブルで抜けていけるし、両足でシュートが打てる。そして、何より速い。ここ数か月で良くなっているのは守備の部分で、ボールが奪えるようになってきた。アタッカーだけじゃなく、サイドバックをやらせても十分にこなせるので、選手としての幅が出てきた」。

 彼の成長もあり、2月の新人戦は決勝戦まで進んだが、静岡学園高に力及ばず、0-3で敗戦。「自分が結果を残して、チームを勝たせたい」と今年の目標を話す水野にとっては納得の行かない結果となった。今後は更に決定力を伸ばし、2012年度の選手権以来遠ざかっている全国大会出場に導くつもりだ。

(取材・文 森田将義)

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