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選手権のヒーローたちが世界で躍動!日本高校選抜がデュッセルドルフ国際で5年ぶりの決勝進出!!

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前半6分、日本高校選抜はMF田部井涼主将(前橋育英高→法政大)が左足で先制ゴール

[4.2 デュッセルドルフ国際ユース大会準決勝 日本高校選抜 2-1 ハダースフィールド]

 日本高校選抜が5年ぶりV王手! 第56回デュッセルドルフ国際ユース大会(ドイツ)は大会最終日の2日午前に準決勝を行った。予選リーググループ2を首位突破した日本高校選抜は、同グループ1で2位のハダースフィールド(イングランド)と対戦。MF田部井涼主将(前橋育英高→法政大)とMF荒木駿太(長崎総科大附高→駒澤大)のゴールによって2-1で勝った。日本高校選抜はMF仙頭啓矢やFW小屋松知哉、DF室屋成らを擁していた13年以来5年ぶりの決勝進出。2日午後、その時以来となる優勝を目指してボルシアMG(ドイツ)と戦う。

 4-3-3システムのハダースフィールドに対し、日本は今大会初めてスタートから4-5-1システムを採用。GKは薄井覇斗(流通経済大柏高→流通経済大)で4バックは右SB後藤田亘輝(前橋育英高→青山学院大)、CB蓑田広大(青森山田高→法政大)、CB生駒仁(鹿児島城西高→横浜FM)、左SB角田涼太朗(前橋育英高→筑波大)。中盤は田部井と宮本優太(流通経済大柏高→流通経済大)のダブルボランチ、トップ下が菊地泰智(流通経済大柏高→流通経済大)。右SH荒木、左SH井上怜(市立船橋高新3年)、1トップにはFW佐藤颯汰(日章学園高→北九州)が入った。

 立ち上がりからハイプレスで相手のパスワークを遮断した日本は6分に先制点を奪う。荒木の左CKを大外の生駒が一段階高いヘッドで折り返す。ゴールエリアに飛んだボールを田部井が左足アウトサイドでゴールへ蹴り込んだ。

 信頼厚い主将のゴールは、チームにとって4試合ぶりとなる先制点。その後も良い形でボールを奪って支配する日本はクロスまで持ち込むものの、待ち構える相手DFに跳ね返されてしまう。積極的に攻撃を仕掛けていたが、素早くパスを動かす中でミスも起きて攻め切れない時間帯が続いていた。

 だが、17分に鮮やかな崩しから追加点を奪う。左エンドライン際で粘った佐藤颯がクロス。このこぼれを拾った井上が左サイドから横パスを入れると、ニアの菊地がスルーし、その背後から飛び込んできた荒木が左足ダイレクトで決めた。

 25分ハーフの短期決戦とは言え、5日間で5試合目。疲労感もある中で田部井や宮本中心に集中力を切らさない日本は、2-0のまま前半を折り返す。後半開始から蓑田に代えて左SBに今大会初出場となる佐藤拓海(青森山田高→神奈川大)を投入し、角田をCBへ移行。その佐藤拓がスライディングタックルを決めたり、ダイビングヘッドでクリアするなどチームを盛り上げる。10分には井上に代えてFW町野修斗(履正社高→横浜FM)、14分には後藤田に代えて初出場のMF青木真生都(東福岡高→関西大)を投入。宮本を右SBへ移した。

 ただし、後半は全体の運動量が落ちたこともあって我慢の時間帯が続く。相手のセットプレー、ロングボールを生駒や角田が跳ね返していたが、ハダースフィールドも必死の反撃。日本は18分、青木のダイレクトのサイドチェンジから左サイドを抜け出した荒木がクロスを入れる。このこぼれ球を拾った町野がDFを外して決定的な左足シュートを放ったが、枠を外して勝利を決定づけることができない。

 逆にハダースフィールドは21分、右サイドをダイレクトのパスで崩して1点差。終盤は前線へのロングボールを連発して日本に圧力を掛けてきた。日本は24分、田部井に代えてMF稲見哲行(矢板中央高→明治大)をピッチへ。アディショナルタイム、初出場となった稲見が空中戦で身体を張るなど日本は個々の選手がハードワークを続ける。我慢の3分間を守り抜いた日本が決勝進出を果たした。

 平野直樹監督(履正社高)は「後手を踏んでしまった時間帯もあったんですけれども、子どもたちが最後までブレずにやってくれたと思います」とコメント。今大会は予選リーグ第2戦から3試合連続で先制されながらも追いついて引き分けに持ち込むなど、諦めない気持ちと粘り強さを発揮して無敗で勝ち上がってきている。

 第96回全国高校選手権サッカー大会のヒーローたちが、日本高校選抜として戦うのもあと1試合。平野監督は「簡単なことじゃないことは分かっていたんですけれども、やっとここまで来れたなという思いです。あとは我々が積み重ねてきたものを決勝戦で爆発させることができればいいかなと思います」。全国4,093校、約16万人の高校サッカー部員の代表選手たちが世界で舞う。

(取材・文 吉田太郎)
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