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準決勝、決勝で2戦連発!ベストMFに輝いたMF田部井涼主将が来年の高校選抜主将へアドバイス

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日本高校選抜のMF田部井涼主将(前橋育英高→法政大)は大会ベストMFに選出された。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[4.2 デュッセルドルフ国際ユース大会決勝 ボルシアMG 1-2 日本高校選抜]

 主将として前橋育英高(群馬)を全国高校選手権初優勝へ導いたMF田部井涼(前橋育英高→法政大)が、日本高校選抜でもリーダーとしての役割を全うしてデュッセルドルフ国際ユース大会優勝に貢献。また、準決勝、決勝で2試合連続ゴールを決めるなどチームトップの3得点を挙げたボランチはベストMFに選出された。

 決勝戦は前半8分に先制点を献上。それでも、重い空気を主将の左足が吹き飛ばす。左CKのセカンドボールをMF井上怜(市立船橋高新3年)がゴールエリア方向へ入れると、DFと入れ替わった田部井が左足ダイレクトボレーをゴールネットに突き刺した。

 CK時、GKの前にポジションを取っていた田部井はこの欧州遠征で感じていたことがあったのだという。「何回か見ていると、海外の選手は目先のボールには強いんですけれども、見すぎていて自分のマークを外すんですよ。自分の準決勝の1点目なんか映像で見たら全然外れていて、海外は狙い目かなと思っていた。そこもここに来たからこそ学べたことでした」

 同点ゴールのあとは田部井の左足キックが冴え渡っていた。中盤中央のポジションからテンポよくサイドチェンジ。コントロールタワーとしての役割も果たし、守備でも盟友・MF 宮本優太(流通経済大柏高→流通経済大)らとの連係で何度も相手の攻撃を潰し、ボール奪取に貢献していた。

 ベストMFという評価が物語っているように、大会のベストプレーヤーの一人だったことは間違いない。エバートン戦など持ち味を発揮できなかった試合もあったが、田部井はその中で外国人選手が「どのような動きをするのか?」「パワーの掛けどころは?」「どこに隙があるのか?」見極め、その中でどう自分が活きるのか学べたことを欧州遠征の成果に挙げる。

 特に収獲があったプレーは、スローインで相手の足が止まった隙を突いて決めたデュッセルドルフ国際ユース大会初戦のゴール。「海外の選手を見て、相手の上がるタイミングとかアウトプレーで集中切れるというところも学べたところでした。あれは海外の遠征で学べたことが一番詰まったゴールかなと思います」。世界の厳しい戦いの中で成長したことを実感。U-19日本代表への招集もありそうなMFは、日本高校選抜の経験を通じて世界で戦いたいという気持ちが「強くなりましたね」と語った。

 宮本とともにピッチ外でも高校選抜を引っ張ってきた。各選手の出場時間はバラバラ。ピッチに立てずに落ち込む選手もいる中、前橋育英と同じようにプライドを持った選手たちに声がけすることで同じ目標を持つ集団にした。「自分と優太がリーダーとして前に出て、プライドの高い選手が多い中で悔しい選手もいたと思うんですけれども、(全員の)レベルの高いこともあって自分たちの話を聞いてくれたのは本当にいいチームだったと思いますね。だからこそ1ピースも欠けることなくできたと思います」。悔しい気持ちを抑え、我慢しながら一緒に戦ってくれた仲間たちに感謝した。

 今回、先輩たちから受け継がれた日本高校選抜のキャプテンマークを巻いてデュッセルドルフ国際ユース大会を戦った田部井は、来年の日本高校選抜の主将になる選手、そして後輩たちへ向けてアドバイスを送った。「来年の日本高校選抜も実力のある選手が揃っていると思うので、キャプテンの子にはチームのミーティングを忘れないでやってほしい。自分たちは上手くいかない時期もありましたけれども、自分も優太も声をかけてミーティングをしたからこそ、大会期間中も悪い試合でもぐっと上に持っていけましたし、大会期間中も成長できるチームを作れれば来年も絶対に優勝できると思うので期待していますね」。田部井はミーティングだけでなく、自身が先発出場する直前にもベンチメンバーに声をかけるシーンがあった。プライドの高い仲間たちを良くまとめたリーダーは自分自身も勝つチームに必要なことも再確認。学んだことを活かして日本で新たな勝利、そして代表、プロ入りを目指す。
 
(取材・文 吉田太郎)
●2018日本高校選抜欧州遠征特設ページ
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