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“00世代”が止まらない…神戸17歳DF小林友希がJデビュー! 中盤起用は「まだ2回目」

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中盤のポジションでJデビューを飾った神戸の17歳DF小林友希

[4.4 ルヴァン杯GL第3節 湘南0-3神戸 BMWス]

 トップチームデビュー戦は「まだ2回目」の場所で迎えた。ヴィッセル神戸の17歳DF小林友希は後半開始からピッチに入り、本職のセンターバックとは異なる中盤中央のポジションでプレー。「彼のような選手が日本に必要」という指揮官の期待も背負い、終始安定感のあるパフォーマンスを披露した。

 普段はヴィッセル神戸U-18でプレーする小林は、2000年生まれの新高3世代。183cmの長身と精度の高い左足キックは評価が高く、同じアカデミーで育ったDF岩波拓也(浦和)になぞらえて『岩波2世』と期待されてきた。昨年秋にインドで行われたU-17W杯には主力として出場し、3試合でピッチに立っていた。

 だがトップチームでは、中盤のポジションを任されている。きっかけはある日の練習試合、小林の武器を見込んだ吉田監督がアンカーで起用したところ、「ミスなく淡々とプレーしていた」(吉田)。高い素質を感じた指揮官は「やったことある?」と尋ねると、「人生で初めてです」と返答。すると“2回目”の機会は、なんとプロデビューの舞台だった。

 普段から「緊張はあまりない」という背番号40は後半開始時、「攻撃の面ではボールを動かしてチームにテンポを持たせ、守備ではボールを何回も取って攻撃に出て行く」という狙いでピッチへ。同じアカデミー育ちのMF安井拓也との連携でボールを引き出し、試合途中に相手が4-4-2へのシステム変更を行うと、アンカー気味の位置取りでプレスをうまくかいくぐって見せた。

 試合は後半に1点を追加した神戸が危なげなく勝利。起用に踏み切った指揮官は試合後会見で「ほとんどミスなくプレーしてくれました」と称え、練習試合でのエピソードを紹介した。さらに「高さもありますし、彼のような選手が日本に必要だと思います」と太鼓判。今後も同じポジションでの起用を続けていくことを示唆した。

 一方の小林は「守備ではボールがあまり取れなかったんで、もっともやっていかないといけない」、「質の高いパス回しができればよかった」と持ち味を出すには至らなかったと考えている様子。ただし中盤起用については「CBでやっていたボールをさばくところ、インターセプトは出せる」とポジティブに捉えているようだ。

 17歳でプロの第一歩を踏み出した小林だが、早いという認識はまったくないという。「同年代の選手がJリーグで活躍している中、危機感はあった」と素直に吐露。同じ最終ラインのDF菅原由勢(名古屋)を始め、FW中村敬斗(G大阪)、FW久保建英(FC東京)ら、2000年代生まれの選手が続々とリーグ戦で定位置を獲得しようとしている現状があるからだ。

「自分もルヴァン杯ではありますが、Jの舞台に出られたので、もっと試合に出られるようにアピールしたい」。そう意気込んだ17歳は「U-19日本代表のアジア予選があるので、まずはメンバーに入って、主力として活躍して、W杯に出られるように頑張りたい」と、指揮官も期待する“日の丸”への意欲をあらためて口にした。

(取材・文 竹内達也)
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