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[UEFA Young Champions]可能性感じさせた“6人6色”の選出理由…石川直宏氏は「組み合わせを重視」

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 選手の武器を見極め、無限の可能性を引き出す。昨季限りで現役を引退した石川直宏氏は4日、U-16世代の選手が世界一を競う「adidas UEFA Young Champions 2018 × TANGOLEAGUE」日本代表選抜大会に参加し、日本代表として世界大会を戦う6人を選出。メンバー選考は「一人ひとりのプレーはもちろん、その組み合わせを重視した」と異なる個性の6人を選出。ピッチ上で個性を生かし合い、“相乗効果”を生めるかどうかを基準に選考した。

 参加24チームの頂点に立った横浜栄FCからは2選手が世界切符をつかんだ。左足から繰り出す正確なキックを武器とする木村颯太(3年)は決勝で2アシストを記録。石川氏は「周りの選手を生かすプレー、自分で仕掛けていく姿勢の両方があって、もっと見たくなる選手の一人」と期待を寄せた。的確なカバーリングでピンチを潰した平井淳貴(3年)は「冷静にチームのためにプレーしていた」と称えられ、チームのために体を張る姿勢が評価された。

 準優勝チームの田口フットボールアカデミーJY(Aチーム・東京)からも2選手が選ばれた。決勝でビッグセーブを連発したGK白銀洋次郎(3年)は安定したセービングと声を張ったコーチングが光り、文句なしの選出となった。「決勝では止めるところを止め切れた」と自らも手応えはあったが、チームは惜しくも優勝を逃し、「チームを勝たせるプレーができるようになりたい」とさらなる高みを目指す。

 一方、古屋祐太(3年)は「ゴールやアシストであまり結果を残していなかったので…」と名前を呼ばれた驚きは大きかったが、石川氏は「人と違う間合いでプレーしていたのが気になった」と可能性を見出し、独特のリズムで仕掛けるドリブルを高く評価。パスポートの取得はこれから。自身にとって初海外、初の世界対戦となるが、「世界の選手とやったことがないので、どれだけ通用するかを知ってきたい」と闘志を燃やす。
 
 ピッチ外での姿勢も選考理由となった。JFC FUTURO(Cチーム・神奈川)の芝田昴輝(3年)は「元気いっぱいでパワーが溢れている。周りを鼓舞していた」とピッチ外からも声を張り、チームを盛り上げる姿勢が評価された。また、石川氏が育った横浜FマリノスJY追浜(Aチーム・神奈川)から2年生ドリブラー清水雅来が選出され、「表情を見てやってくれるんじゃないかと思った。世界で戦うにはそういう選手が必要」と同氏の心を射止めた。自身は準々決勝で敗退していただけに「びっくりしました」と選出を驚いたが、尊敬する偉大なOBとの共演に喜色満面。世界の同世代との対戦へ、「自分のプレーを出しつつ、みんなを生かしてチームで勝ちにいきたい」と目を輝かせた。

(取材・文 佐藤亜希子)

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