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「熱くなれた」瞬間の積み重ね…2度目の世界大会を目指すエース大迫の“ブレイク前”

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世界最高峰の大会を控える大迫勇也

 四年に一度、世界が最も注目する大会を控え、選手として円熟期を迎えるFW大迫勇也は、再び世界に挑む日本サッカーの中心に君臨している。「悔しさしかなかった」前回大会から4年。ドイツリーグの舞台でしのぎを削り、経験と自信を積み重ねたエースは2度目の出場で雪辱を誓う。日本の結果を左右する存在にまで登り詰めた大迫は、高校時代の“半端ない”ブレイクをする前にサッカーとどう向き合ってきたのか。少年時代のエピソードを聞いた。

―四年に一度の大会が間近に迫っています。対戦相手3か国の印象は?
「初戦は前回対戦しているので一番イメージができる相手。個々の球際の部分は日本人があまり得意としないところだけど、前回やっているのは大きいと思うので、そのアドバンテージを活かしたいですね。第2戦は身体能力の高いチームだから、未知の怖さがあります。ただ、一人ひとりに力はあっても組織的にどうかという部分で、そこを突くのがチャンスかな。第3戦目も、もちろん強豪ですが、強いて言えば3か国の中では一番やりやすいかなと思います」

―今、前回大会を振り返って思うことは?
「自分が力不足だった大会。悔しさしかなかったので、終わったあとに4年後は絶対にもっと成長して、違う自分で臨みたいと決めました。あの悔しさは大きかったです。あの舞台にもう一度立って、いろんなものを取り返したい」

―再びエースとして大会に臨みます。
「ドイツで丸々4年間できたことは大きいですね。レベルの高い環境で成長できている。ドイツリーグで結果を出すことが、またあの舞台に戻って点を取ることへの近道だと思っています」

―大会でゴールを取りたい気持ちは強くなっていますか?
「絶対に点を取ります。その気持ちが体を動かしてくれると思う。取りたいですよ。子供の頃からの夢ですからね」


―サッカーを始めたのはお兄さんの影響があったんですね。
「3つ上の兄がサッカーをしていたので、僕が3歳の頃から近所の人たちとボールを蹴っていました。やわらかいボールで野球をしたことはあったけどそれは遊び程度で、やっぱりサッカーが面白かった。小学3年から兄と同じチーム(万世SSS)に入りました」

―当時はどんな練習を?
「小学生のときの3歳上って体格差が大きいじゃないですか。『兄には負けたくない』っていう気持ちがあったので、同級生に勝っても満足できなくて、上の年代に勝ってはじめてうれしいと感じていました。兄には1対1で負けてばかりでしたけど、負けても何度もぶつかっていくしかなかった。そういう環境はよかったですよね。練習は週に3回。弱小チームだったので厳しい練習はなくて、とにかくゲームをするのが楽しかった。それ以外の時間も兄とサッカーをしていました」

―ポジションは当初からFW?
「小学生のときはトップ下でしたけど、ドリブルで突破してゴールまで全部自分でやっている感じでした。面白かったですよ。中2のときに監督に言われてトップ下からFWに転身しました」

―サッカー部1期生として、育英館中への進学を決断しました。
「先輩がいると試合に出られないこともあるじゃないですか。地元の中学にいくか、育英館中にいくかの二択で、試合に出られることが決め手でした。体育科の特待生で、自分たちのクラスはサッカー部が15人。人見知りなので友達ができるまで時間がかかりました」

―部活は厳しかったですか?
「中学3年間は厳しくて、毎日死に物狂いでした。監督がすごく厳しくて、毎日泣かされそうになるくらい厳しく接してくれたので(笑)。メンタル的にすごく鍛えられましたね」

―現在につながる技術はどんな練習で磨かれたと思いますか?
「自分なりにいろんなことを考えて練習していましたけど、何が良かったのかは自分では分からないですね。部活のあともいろんなパターンのシュート練習をしていました。その頃尊敬していた選手は、一番身近にいた山平(義幸)監督。1対1で監督に勝つのが目標であり、それが毎日の楽しみでした。監督に対して全力でスライディングしていたのを覚えています(笑)。そしたら監督も後ろから僕にスライディングをし返してきたり、そういう真剣勝負がすごく楽しかったです」

―ゴール前での強さはそこで磨かれたんですね。
「監督との1対1で磨かれたと思います。監督は福岡大でバリバリやっていた人で、当時は20代でキレキレだった。僕が3年生になったときにようやく互角に戦えるようになりました。削られたり、相撲みたいに投げられたりもしたので、そこで踏ん張って足腰も強くなりました。監督が厳しく、本気になって接してくれたことがありがたかったですね。人によると思いますけど、僕はそれで熱くなれたのでよかったです」

―部活で一番苦しかったことは?
「何を話したらいいかわからないくらい、苦しいことだらけですよ。昔も今も試合に負けたら悔しくて寝つけないです」

―サッカーをやっていてよかったことは何ですか。
「今、サッカー選手になれていることですよね。自分が今までずっとやってきたサッカーを職業にできるって幸せですよ。苦しみもプレッシャーもあって大変だけど、本当に幸せな職業だと思います」


―初めてサッカーシューズやウエアを買ってもらったのはいつですか?
「サッカーを始めるタイミングで、小学3年生のときに父母からプレゼントしてもらったのがアシックスのシューズとウエアでした。シューズは初めて履いたときからフィットして、スムーズにプレーできました」

―どんなところが気に入っていますか?
「アシックスのスパイクは何より履き心地がいいですね、ウエアも着心地が気に入っています。僕は鹿児島出身なので、学生時代は街に遊びに行くような機会もなかったですし、毎日サッカーをして、一日中ジャージでいましたね。小中高はほぼジャージで過ごしていました(笑)」

―部活を始める中学1年生にメッセージをお願いします。
「辛いことと本気で向き合って苦しむから、その先に楽しさがあるはず。僕は苦しくても、もっと上手くなりたい、活躍したいと思う気持ちはなくならなかった。今後も目の前のことに本気で向き合って、戦っていくと思います。熱くなって、必死に練習や試合に取り組むことではじめて楽しめる。だから必死になって楽しんでほしいです」


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(取材・文 佐藤亜希子)

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