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[プレミアリーグWEST]サニックス杯準V、堅守構築の福岡U-18がC大阪U-18と0-0ドロー

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アビスパ福岡U-18CB小嶋和典主将(左)とセレッソ大阪U-18FW根木洸希がボールを奪い合う

[4.7 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 C大阪U-18 0-0 福岡U-18 ヤンマー]

 7日、高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2018WESTが開幕し、昨年5位のセレッソ大阪U-18(大阪)と同8位・アビスパ福岡U-18(福岡)との一戦は0-0で引き分けた。

 福岡は昨年、開幕4連敗を喫するなど出遅れ、第10節までわずか1勝のみ。ラスト2試合の連勝によって逆転でのプレミアリーグ残留を果たしたものの、非常に苦しいシーズンだった。だが、今シーズンは開幕戦で強敵・C大阪から勝ち点1を獲得。前向きなスタートを切っている。

 前半、主導権争いからC大阪がボールを握る時間を増やす。左SB下川太陽(2年)がクロスまで持ち込んでいたほか、コンビネーションからFW根木洸希主将(3年)やMF谷本駿介(3年)がシュート。また、カウンターから少ない人数で敵陣深い位置までボールを運ぶシーンもあった。

 村田一弘監督は攻守の切り替えの部分は評価をしていたものの、攻撃の組み立てや前線のボールを引き出す動きなどについては苦言。「中盤(の組み立て)で精一杯になってしまっていた」「点を取るための動きができていない」と厳しかった。右SB中島稜斗(3年)の迫力あるオーバーラップなどを交えてサイドから相手の守りに穴を空けかけていたが、福岡は鋭い動きで突破を阻止するCB常陸宙太(3年)やCB小嶋和典主将(3年)が好カバーリングを見せるなど得点を許さない。
 
 ハイプレス、ミドルゾーン、押し込まれた際のブロック構築、チャレンジ&カバーなどトレーニングしてきた守備の部分を発揮する福岡は22分に決定機。人数を掛けた守備によって自陣でボールを奪うと、左SB桑原海人(3年)がすかさず相手の背後へ斜めのパスを通し、FW軸丸大翔(2年)が決定的な右足シュートを放った。押し込まれる時間の長かった福岡だが、前線のFW北島祐二(3年)がボールを収めて反撃。33分にも左CKのこぼれ球から軸丸と小嶋が連続でシュートを狙った。

 後半、C大阪は根木が「後半は自分たちらしいサッカーができた」と振り返ったように、パス交換からスペースを作り出してチャンス。5分にはボールコントロールの巧さを示していたMF奥村仁(2年)が中盤中央を駆け上がって左足シュートを放ち、その後もFW藤尾翔太(2年)や谷本がシュートへ持ち込んだ。

 相手が攻めきる前にMF松本凪生(2年)やCB西尾隆矢(2年)がボールを奪い、ゴール前のシーンを増やしていたが、福岡は常陸と小嶋、MF児島信之介(3年)の3人が中央で堅い守りを構築。攻撃面でも驚異となる左SB桑原海人(3年)のカバーリングでピンチを凌ぐなど得点を許さない。終盤、互いに1点を奪うために前への意識を強めたが、ミスも増えて得点は生まれず。0-0で引き分けた。

 始動から12週間、計画性を持ってチームを作ってきたという福岡は、プレミアリーグ勢7チームなどが参加した3月のサニックス杯国際ユース大会で準優勝。CB小嶋和典主将(3年)は「準優勝して自分たちにもできるんだと。あれが自信になってきょうも物怖じせずに戦えたと思います」と説明する。

「しつこく、粘り強くは徹底しよう」という藤崎義孝監督の下、プレミアリーグ開幕戦でしつこく、粘り強く戦い抜いた福岡。C大阪に差し込まれるシーンも多く、奪ったボールをゴールに結びつけることはできなかったが、指揮官も「最後、集中力を切らさなかった」と及第点をつける結果となった。

 それでも勝ち点を重ねていくためにはまだ足りない部分が多いと選手たちは感じている。サニックス杯決勝(0-3)で敗れた青森山田高(青森)の戦い方は自分たちの参考に。小嶋は「こういう試合でも1チャンスで取り切る力がないといけない。自分たちのミスが出てしまったり、時間帯を考えたプレーとか、勝つプレー、しぶとさが自分たちにはまだない。18試合で粘り強く、勝負強くやっていきたい」。目標は上位、そして優勝。勝ち点1に満足することなく、より粘り強く戦い、勝ち切るチームを目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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