beacon

[プレミアリーグWEST] 2年目のプレミアに挑む米子北、「すなば珈琲」などのサポートに応えて残留目指す

このエントリーをはてなブックマークに追加

米子北高MF原田海はスピードを活かした仕掛けで相手の脅威に

[4.8 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 阪南大高 3-1 米子北高キンチョウ]

「収獲はしっかりやられたことじゃない? やられんと気づかないから」。米子北高(鳥取)の中村真吾監督は厳しい言葉を口にしていた。

 同じくプレミアリーグ参入2年目の阪南大高との開幕戦。残留へ向けて落としたくない試合は序盤から相手にDFラインの背後を突かれる形で決定機を連発されてしまう。何とか凌いでいたものの、前半25分にミドルシュートを決められると、直後にもCKから失点。ポジショニングのミスなどが響いて2点を追う展開になってしまった。

 前半終盤、そして後半の立ち上がりはMF原田海(2年)がスピードに乗った仕掛けで左サイドを攻略。決定機を作り出していたが、相手GKのファインセーブにあったり、慌てて放ったシュートをクリアされてしまうなど追撃することができない。

 中村監督も「2-1になっていたら全然違った」と残念がる。攻勢だった時間帯に1点差とすることができなかった米子北は、逆にCKから3点目を献上。後半12分に注目MF佐野海舟主将(3年)の技ありの左足シュートで1点を返したものの、そこで相手を飲み込むような攻撃をすることができなかった。

 ボランチの位置から攻め上がるMF高橋諒(3年)のドリブルが攻撃のスイッチとなり、原田のスピードも相手を苦しめる武器となった。だが、守備陣にけが人が出ているチームは苦しい戦いに。中村監督は「DFラインが自分で守ろうとしていないし、全部後追いというか。自分の間合いではなく、相手の間合いでやっていた」と苦言を呈していたが、185cmCB高橋祐翔(2年)ら下級生中心のDFラインは相手のロングボールに押し下げられてゴールをこじ開けられてしまった。

 開幕戦は黒星スタート。だが、次節のホーム戦から巻き返していく意気込みだ。「弱いものが強いものに勝つ」ための挑戦が賛同を得て、鳥取県に多数の店舗を展開する「すなば珈琲」の名がユニフォームスポンサーに入り、またガイナーレ鳥取のホームスタジアムであるとりぎんバードスタジアムも使用させてもらうなど、地元のサポートに応えたいという気持ちが強い。悔しい経験を糧にしぶとく戦うチームへ変わるか。優勝した神戸U-18から白星をもぎ取るなど粘り強く勝ち点を積み重ねた昨年のように、強敵に全力で挑み続けて今年も残留を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
●2018高円宮杯プレミアリーグWEST特集

TOP