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「あそこがキーになった」OG誘発に逆転弾、室屋成の圧巻プレーに敵将も脱帽

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右サイドを突破するDF室屋成

[4.11 J1第7節 FC東京2-1鹿島 味スタ]

 24歳の右サイドバックがチームを逆転勝利に導いた。FC東京は0-1の前半39分、DF室屋成が右サイドのタッチライン際に開いた位置でDFチャン・ヒョンスからパスを受けると、対峙したDF西大伍をかわして縦に突破。カバーに来たMF永木亮太もスピードで振り切ってゴールライン際までえぐると、右足のクロスがDF植田直通のオウンゴールを誘って同点に追いついた。

「感覚というか、1人目(西)は結構食いついていたのでタイミングで外せた。2人目(永木)も見えていて、うまくタイミングで外せた」。個の力でこじ開けた同点ゴール。圧巻は1-1で折り返した後半10分の逆転弾だった。MF橋本拳人の縦パスを右サイドでキープしたFW永井謙佑がヒールで落とし、その内側をオーバーラップしてきた室屋がそのままドリブルでPA内に進入。右足で豪快にニアサイドを破り、2-1と逆転に成功した。

 16年11月9日の天皇杯4回戦・Honda FC戦でゴールを決めている室屋だが、リーグ戦はこれが初ゴール。「(永井)謙佑くんがスペースをつくってくれたので、そこにうまく自分が上がって、ヒールで落としてくれた。ゴールだけを考えて強く振り切った」。プロ3年目で生まれた待望のJ1初ゴール。試合前にDF太田宏介から「そろそろ決めるよ」と声をかけられていたそうで、「(太田)宏介くんの予言が当たりました」と笑顔で明かした。

 今季は開幕から3試合連続で先発したが、その後2試合は出番なし。前節8日の長崎戦(5-2)が3試合ぶりのスタメンだった。「開幕のときは守備的なプレーを考えていたけど、(長谷川)健太さんに『もっと攻撃的にプレーしてほしい』と言われて、それならめちゃくちゃ攻撃的にプレーしてやろうと」。とはいえ、右サイドバックとして豊富な運動量で守備にも奮闘。「健太さんから『戻れよ』と言われているので、戻らないと怒られる」と、長谷川健太監督の“指示”を忠実に遂行している。

 対面に当たる鹿島の左サイドバックで先発したDF山本脩斗が前半6分で負傷交代するアクシデントに見舞われ、西が代わってその位置に入った。鹿島が後半15分に左サイドハーフのMFレアンドロをベンチに下げてからはボランチの永木が左サイドバックを務めた。レアンドロの交代の意図について“室屋対策”だったことを明かした鹿島の大岩剛監督は「失点場面は左サイドの室屋選手の勢い。あそこが一つのキーになった試合だった」と、2得点に絡んだ相手の右サイドバックを称えるしかなかった。

(取材・文 西山紘平)

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