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[プレミアリーグEAST]18年1回目の“千葉ライバル対決”、大熱戦の末にドロー

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注目の千葉ライバル決戦、流通経済大柏高市立船橋高はドローに

[4.15 高円宮杯プレミアリーグEAST第2節 流通経済大柏高 0-0 市立船橋高 流通経済大柏高G]

 高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグEASTは15日、第2節を行った。注目の千葉ライバル決戦、流通経済大柏高市立船橋高戦は0-0の引き分けに終わった。

 プレミアリーグでの過去の対戦成績は市立船橋の4勝2分。今年、流経大柏がプレミアリーグに復帰したことで2年ぶりに実現した“ダービー”は0-0で引き分けた。流経大柏・本田裕一郎監督、市立船橋・朝岡隆蔵監督ともにチーム力を測る意味合いもあるゲーム、成長できるゲームでもあると口にするライバル対決。球際での激しい当たりの応酬、中央での責任感ある守備、空中戦・サイドの迫力ある攻防、高速カウンターなど見応え十分の90分間だった。

 前半は流経大柏が得意のハイプレッシャーで市立船橋のビルドアップを封じにかかる。攻撃の起点となる両CBや1ボランチのMF余合壮太(3年)へ圧力をかけて市立船橋が良い形で前進することを許さない。

 勢いのある攻撃によって敵陣でセットプレーを獲得する流経大柏は、ゲーム主将MF熊澤和希(3年)のロングスローや、CKからゴールに迫る。33分にはMF中井颯人(3年)、34分には熊澤、36分には右サイドを突破したMF芹田悠真(3年)が立て続けにシュートを放つ。そして41分には芹田からのパス中央で受けた中井の右足シュートがゴールを捉えたが、市立船橋はGK田中悠也(3年)のファインセーブで逃れた。

 前半、市立船橋のチャンスはカウンターから。FW西堂久俊(3年)やFW賀澤陽友(2年)のドリブル突破から会場を沸かせるシーンを作るも、流経大柏は右SB岩崎千里(3年)が2度スライディングタックルでピンチを阻止したのをはじめ、CB西尾颯大(3年)や先発に抜擢された1年生CB藤井海和が要所を締めて得点を許さない。

 後半も立ち上がりは流経大柏に勢いがあったが、市立船橋は前半から空中戦で相手を圧倒していたCB岸本駿朔(3年)が中心になって相手の攻撃を跳ね返すと、セカンドボールを拾い、落ち着いたビルドアップによって試合をコントロールしていく。10分にはGK田中を起点に高速カウンター。賀澤が粘って繋ぐと、MF岡井駿典主将(3年)の強烈な左足シュートがゴールを捉えた。

 後半、完全に主導権を握っていた市立船橋の中で特に印象的だったのがサイド攻撃だ。MF大関克弥(3年)や岡井の配球から右の畑大雅(2年)と左の松尾勇佑(3年)の両SBが圧倒的なスピードによって敵陣深い位置まで駆け上がり、クロスを上げる。右の畑の攻撃参加から左の松尾がフィニッシュへ持ち込むようなシーンが増え、決定的なシュートを連発。だが、22分に放った一撃がゴールマウスに阻まれたほか、市船GK田中同様に存在感あったGK猪瀬康介(3年)の好守に阻まれるなど1点を奪うことが出来ない。

 ともにベストの結果は勝ち点3を積み上げること。残り時間が15分を切ってもゴールへ向かう姿勢は衰えない。ホームで大応援を繰り広げる控え部員たちの声に後押しされて走り続ける流経大柏は熊澤の決定的なクロスにMF熊川大貴(2年)が飛び込み、カウンターから中井がフィニッシュまで持ち込むシーンがあった。一方の市立船橋も交代出場MF町田雄亮(2年)が強烈なミドルシュートを打ち込むなど攻め続けたが、両GKの好守、徹底したハードワーク、互いの勝利への執念もあってスコアは最後まで動かず。0-0で引き分けた。

 後半、優勢に試合を進めなから勝ちきれなかった市立船橋の朝岡監督は「やりたいことは想定どおりにやれた。もったいない勝ち点1だった」と残念がり、勝利を目指すと同時に負けないことを求めていた本田監督は「負けなかったのは良かった。良く守れたと思うけれども奪ってボールを上手く繋げていない」と指摘していた。

 16年は2度のプレミアリーグとインターハイ予選決勝、インターハイ全国決勝、選手権予選決勝と計5回のライバル対決が行われた。今年も最大5回対戦する可能性がある両校はあと何回公式戦で戦うことになるのか。「これからどっちが伸びるか」(本田監督)の宿敵対決。この日ピッチに出ていなかった選手含めた個の成長、戦術面、連係面などチームの熟成をどちらがより遂げるのか注目だ。

(取材・文 吉田太郎)
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