beacon

[MOM2477]市立船橋DF岸本駿朔(3年)_流経相手に空中戦制圧。関川との対決まで「誰にも負けたくない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

市立船橋高CB岸本駿朔は豪快な攻撃参加も

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.15 高円宮杯プレミアリーグEAST第2節 流通経済大柏高 0-0 市立船橋高 流通経済大柏高G]

 昨年度の全国高校選手権準優勝、インターハイ優勝の流通経済大柏高のパワフルな攻撃に飲み込まれてしまうチームは少なくない。集中して守っていても押し込まれてセカンドボールを拾われてゴールを破られてしまう。この日も流経大柏は力強さのある2トップを起用し、その攻防で上回って流れを傾けようとしていた。

 ただし、市立船橋高は相手に思うような攻撃をさせなかった。大きかったのがCB 岸本駿朔(3年)の存在だ。身長は181cmで特別大柄な訳ではないが、相手の先発2トップや交代FW、そして注目MF熊澤和希(3年)との空中戦でも相手を圧倒し続けていた。

 180cmMF熊澤も「強いです」と素直に認めるほどの“高さ”。前方から来るボールに対して自信を持って跳ね返していた岸本は、クロスにも安定した対応を見せていた。そして、攻撃面でもセットプレーでターゲットとなり、優位に。強引な攻撃参加から相手をなぎ倒すように前進したドリブルなど、流経大柏相手に見せたパフォーマンスは一際目立っていた。

「前節、(出来が)酷くて自分のプレーを出すことができなかった。流経が蹴ってくるのは分かっていた。まず自分がヘディングで負けないというのがあって、自分がヘディングとかで負けてしまうと相手に押し込まれるという形になってしまう。前に跳ね返してセカンドを拾えれば自分たちのゲームになると思っていた」

 前節にビルドアップや細かいボールタッチでミスが出たことを反省して改善。勝ちきれなかったことを悔しがっていたものの、自らの強みを発揮し、相手のストロングポイントを封じて無失点で試合を終えたことについては納得していた。

 岸本が最も意識する相手はこの日、ピッチの外にいた。高校世代を代表するCB、流経大柏DF関川郁万(3年)だ。昨年度、圧倒的な空中戦の強さなどによって流経大柏を夏冬の全国決勝まで導いた強力CBは現在、右膝の手術から復帰を目指してリハビリ中。岸本は「同じ千葉県であれだけヘディング強い相手がいて、ライバルというかちょっと意識してしまう。郁万が出てくるまで誰にも負けたくないくらいにと思っている。(彼の復帰後)インハイ、プレミアでやり合いたいと思います」。この日は“関川不在”の流経大柏に空中戦で上回ったが、“世代最強のエアバトラー”が復帰してきたとしても負けるつもりはない。

 プロのステージで活躍する先輩DF杉岡大暉やDF原輝綺に比べると足りない部分と感じている。それでも「セットプレーの部分だったり、空中戦の部分ではあの2人以上にやらなければならないと言われている。杉さん、原さんに近づけるように止める・蹴るの技術をこれからやっていかないといけない」。市船の守備の柱の証、背番号5を背負うCBは課題を改善しつつ、得意の空中戦で“ライバル”以上の力を発揮していく。そして、チームメートたちと細かい部分にこだわり、高めて、市立船橋の日本一に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
●2018高円宮杯プレミアリーグEAST特集

TOP