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[プレミアリーグEAST]関川不在だからこそ危機感持って取り組んできた守備、流経大柏は開幕2戦無失点

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流通経済大柏高のゲーム主将MF熊澤和希は好守の要因について説明

[4.15 高円宮杯プレミアリーグEAST第2節 流通経済大柏高 0-0 市立船橋高 流通経済大柏高G]

 開幕から2試合連続無失点。流通経済大柏高のゲーム主将MF熊澤和希(3年)はCB関川郁万主将(3年)が不在だからこその効果があることを強調していた。

「(関川がいないからこそ)守備のところを重視して、力を入れてやっている。バックラインも、中盤のラインもディフェンスを重視でずっとやってきている」。

 昨年度、夏冬の全国大会で流経大柏を全国決勝へ導いたストッパー、関川がいないからこそ、チームは危機感を持ってディフェンス面に取り組んできた。この日は前半、得意のハイプレスで市立船橋高に思うようなビルドアップをさせず、中盤では特に守備意識の上がったというMF大西悠介(2年)が攻守の中心・熊澤をサポートする形でボール奪取。幾度かカウンターからピンチを迎えたシーンもあったが、右SB岩崎千里(3年)がスライディングタックルで相手のチャンスを阻止するなど隙のない守備を見せていた。

 後半にサイドを破られて決定機を作られたシーンもあったが、それでも中央は譲らず。好カバーリングを連発していたCB西尾颯大(3年)ら個々が意識高く守備をし、GK猪瀬康介(3年)の好セーブもあって無失点で切り抜けた。本田裕一郎監督は「ディフェンスは70点」とまずまずの評価。熊澤は現在のメンバーで強度のある守備を継続する考えを口にする一方、「郁万が戻ってきたらより強い守備ができると思う。待っています」と7月の予定よりも早く復帰する可能性のある大黒柱を待ちわびていた。

 守備に関しては結果を残している流経大柏だが、攻撃については2試合で1得点。この日も前半に4度あったCKを活かせなかった。熊澤も攻撃面については雑なパスや一か八かのシュートが増えてしまったことを反省する。熊澤やMF中井颯人(3年)のシュートが相手ゴールを脅かしていたが、取り組んできた連動性ある崩しをすることができず。それだけに熊澤は「丁寧にやれば良い攻撃ができる。もっとやっていきたい」と引き締めていた。

 関川不在を不安視される中で開幕を迎えながらも1勝1分。関川が「プレーで引っ張ってくれている。グラウンドでリーダーシップを発揮してくれる」と感謝する熊澤中心にチームを少しずつ向上させてきた。本田裕一郎監督は第5節までの登録30名から外れた選手、そして新1年生の中にも「化ける」力のある選手たちが複数いることを認める。この日は、デビュー戦で無失点に貢献したCB藤井海和(1年)が脚光を浴びた。復帰を目指す関川だけでなく、熾烈な競争の中から這い上がってくる選手たちも課題を埋め、さらにチームを押し上げる力になりそうだ。

(取材・文 吉田太郎)
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