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[関東大会予選]勝負強い関東一、東京のトーナメント戦で勝ち続ける王者が駒澤大高を1-0撃破!

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後半23分、関東一高MF古宇田旭が決勝ゴール

[4.21 関東高校大会東京都予選準々決勝 関東一高 1-0 駒澤大高 駒沢2]

 平成30年度関東高校サッカー大会東京都予選は21日、準々決勝を行った。連覇を目指す関東一高と2年ぶりの優勝を狙う駒澤大高との一戦は、関東一が交代出場MF古宇田旭(3年)の決勝ゴールによって1-0で勝利。狛江高と戦う準決勝進出を決めた。

 立ち上がりから駒大高が押し込んだ。長身FW池間敦也(3年)やスペースへの配球によって関東一を押し下げる駒大高は前半20分、右CKの流れからこの日存在感を放っていたMF涌井蓮(3年)の左足シュートがクロスバーを直撃。このこぼれ球からMF保科一生(3年)が放った右足シュートも枠を捉えたが、関東一はブラインドから飛んできたボールに反応したGK北村海チディ(3年)のファインセーブで逃れる。

 関東一は前半、相手に10本近くのシュートを打たれるなど危ないシーンが幾度かあったが、北村が好セーブを連発するなど無失点。攻撃に関しては前線のFW池田健太(3年)が良くボールを収め、後半立ち上がりにはMF加藤陽介(3年)のスルーパスから池田が抜け出すシーンもあった。ただし、チャンスの数を増やせない。ロングボールが増える展開の中で注目レフティー・MF小関陽星(3年)もボールに多く絡むことができず、なかなかシュートまで持ち込むことができなかった。

 一方の駒大高はゲーム主将の注目CB齋藤我空(3年)とCB稲井宏樹(3年)中心に堅い守り。彼らがヘディングで競り勝った際や前線からのチェイスで相手のクリアを足に当てた際などにスタンドの控え部員たちが大いに盛り上がる。それに力を得てまた走る駒大高が後半も押し気味に試合を進めていた。だが、昨年の総体予選以降、都内のトーナメント戦で勝ち続けている関東一は崩れない。

「どっちの足に重心をかけてラインコントロールするか」(小野貴裕監督)という部分まで徹底してきたという関東一は、CB菅原涼太と左SB弓氣田葵という2人の1年生が先発した最終ラインが踏ん張り、0-0のまま試合を進めていく。

 そして要所を締めながら、したたかに1点を狙っていた関東一に先制点が生まれる。後半23分、関東一は相手DFとの距離を離した池田が縦パスを受けて前を向く。ここからFW笠井佳佑(1年)を経由して左サイドから縦に仕掛けた加藤がDFを振り切る。そしてラストパスを入れると、池田がニアで潰れ、最後はファーから飛び込んできた古宇田が右足でゴールへ流し込んだ。

 殊勲の古宇田はタッチライン際まで飛び出したサブ組の選手たちの下へ飛び込んで喜びを爆発。「FWの池田がニアに走ったのが見えたので、被らないにファーで待って、あとはフカさないように意識して強く打つことを意識しました。チャンスが少なかったので、あそこで決められて良かったです」

 守備に人数をかける展開の中、「少ない枚数で(相手の)4枚のDFを無力化する」(小野監督)という狙いが的中。CB山脇樺織(3年)らが慌てずにDFのマークを外しながらボールを繋いでいた関東一は、右SHの古宇田と左SHの加藤が内側に絞り、相手のマークがズレる中でハイサイドのスペースを見事に突いて得点をもぎ取った。

 一方の駒大高は試合終盤もサイド攻撃、セットプレーからあわやというシーンを連発していたが、大野祥司監督が「大事なところで点が獲れない」と説明する課題が出てしまい、1点をもぎ取ることができなかった。

 関東一は相手のゴール前で身体を張り、シュートを打たれてもコースを消してブロック連発。1-0で勝ち切った。小野監督は「きょうは選手が良くやったと思います」とコメント。今年は例年以上に繋ぐこともできるというチームだが、それ以上に勝負強さが光る。この日、GK北村が改めて攻略困難な存在であることを示し、劣勢のような展開でも勝ち切る強さを今年も継続。東京王者は激しいチーム内競争でレベルアップし、内容にもこだわりながらまずは1冠を目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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