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海自厚木勢が白星発進、海自鹿屋は出場辞退:第52回全国自衛隊大会

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C組は、海自厚木なかよしが3-0で白星発進。2点目を決めたFW田村

 自衛隊の基地、駐屯地で活動するサッカーチームの日本一決定戦「第52回全国自衛隊サッカー大会」が20日に駒沢オリンピック公園で開幕し、最多18度の優勝を誇る海上自衛隊厚木基地マーカスなどが白星スタートを切った(以下、陸上自衛隊=陸自、海上自衛隊=海自、航空自衛隊=空自)。大会には、前回大会の上位3位と各地域の予選を勝ち抜いた21チームの計24チームが参加。8組で予選リーグを行い、各組1位がトーナメントに進む。

 初日のゲームは、4試合。予選リーグA組では、2連覇を狙う海自厚木マーカスが9-0で陸自FC伊丹staに完勝した。前半5分で背番号10の工藤隼人(3曹・神奈川大出身)が先制点を奪うと、前半だけで5得点。後半もFW松岡遼馬(3尉・国際学院高出身)が2得点を挙げるなど4点を追加した。山崎裕貴監督は「初戦は狙い通りに進めることができた。最近は連覇ができていないので、今年の目標は連覇。隙を作ってはいけない」と高い目標を掲げて気を引き締め直した。第30回から第41回大会(2007年)まで最多11連覇を飾った時代がある。直近10年では、東日本大震災で中止となった第45回大会の前後で44回、46回を優勝しているが、群雄割拠の時代に入っており、連覇は難しくなっている。

 C組は、海自厚木なかよしが3-0で空自小松を破った。前半13分に左CKからDF市村淳(3曹・流通経済大出身)がヘディングシュートをたたき込んで先制。後半はFW田村嘉隆(1尉・徳島市立高出身)が巧みに抜け出して追加点を奪い、さらに背番号10の室田悠貴(士長・市立柏高出身)がロングシュートをたたき込んで勝利を決定付けた。2点目を奪った田村は「毎年、これが最後(の参加)と思って臨んでいる。初戦は硬くなりがちなのでリラックスを心がけた。練習してきた形で点が取れて良かった。勝ち進めば準決勝でマーカスと対戦できる。そこまで勝って優勝を目指したい」と意気込みを語った。

 D組では、前回大会3位の空自入間・横田が、陸自北熊本と2-2で引き分けた。前半は陸自北熊本が2点を先取。FKのこぼれ球をDF山中良太(士長・熊本農高出身)が押し込んで先制し、GKの隙を突いてボールを奪ったFW小山裕暉(3曹・熊本国府高出身)が追加点をマークした。しかし、後半は空自入間・横田が猛反撃。右CKからDF平田昴(3曹・平安高出身)がヘディングシュートを決め、試合終盤にFW橋本開(士長・東京国際大出身)が豪快なターンシュートをねじ込んで同点とした。橋本は「体が全然動かなかった。得点場面は無我夢中で覚えていないけど、決められて良かった。昨年のメンバーが多く残っている良いチーム。優勝できるように頑張りたい」と話し、初戦敗退の回避に安堵の表情を浮かべた。追いつかれた陸自北熊本の小山は「後半に攻撃が止まってしまったのが課題。目標は、長らく果たせていない決勝トーナメント進出。全力をぶち込んで達成したい」と反省点を挙げ、第2戦に目を向けた。

 なお、B組は、海自鹿屋サッカー部が不参加となり、陸自札幌サッカー部が不戦勝した(5-0の扱い)。大会は24日まで予選リーグを行い、26日から決勝トーナメントに進む。最終日となる28日は味の素フィールド西が丘で決勝戦と3位決定戦が行われる。

※階級は士、曹、尉、佐、将の順に高く、数字は低い方が上位となる。

(取材・文 平野貴也)

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