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[MOM2478]関東一GK北村海チディ(3年)_攻略困難!ビッグセーブ続ける守護神は身長もアップ

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関東一高GK北村海チディは完封勝利

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.21 関東高校大会東京都予選準々決勝 関東一高 1-0 駒澤大高 駒沢2]

 今年、東京から関東、全国を目指す選手たちは関東一高GK北村海チディ(3年)を攻略しなければ目標を達成することは難しいのではないか。そう感じさせられるような試合だった。

 前半2分に駒澤大高MF涌井蓮(3年)の右足シュートをファインセーブした北村は前半20分にもブラインドの位置から飛んできたFW保科一生(3年)のシュートに反応してCKに逃れる。瞬時の判断でバックステップを踏んで頭上を襲ったシュートをはじき出したGKは、直後にもコースを突いてきたシュートを横っ飛びでセーブ。後半も至近距離からのシュートをキャッチするなど枠へ飛んできたボールをことごとく防いで1-0での勝利に繋げた。

 判断の遅れでピンチを招いたシーンがあったことも確か。それでも存在感は絶大だった。バックラインの背後のスペースを守備範囲広く埋め、クロスバーの上方に飛んできたボールでも難なくキャッチしてしまう。スピードと跳躍力はやはり超高校レベル。経験を重ね、加えて身長が2cm伸びて176cmとなり、まだ成長中というGKはより攻略することが困難になっている印象だ。

 最終学年になって責任感も増している。意識しているのは下級生の多いDF陣への声の掛け方や、立ち振る舞いついて。1年時から出場している自分が先輩たちにどう声がけしてもらっていたか、思い返しながら後輩の背中を後押ししている。

 また選手権を見て、勝ち上がっているチームは必ずGKがビッグセーブをしていることを実感。「『入った』というボールを止めていかないとチームも上がっていけない。全国決勝へ上がっていくチームはGKもビッグセーブをしなければいけない」。

 昨年、東京のトーナメント戦で3冠を達成した関東一を北村は幾度もビッグセーブで救ってきた。だが、日本一を目指して臨んだ選手権は初戦で佐賀東高に0-2で敗戦。開幕戦の緊張もあって自身のポジショニングやDFを動かすコーチングでのミスがあった。シュートストップの部分でも予選で自分がやり続けていたことができずに2失点。その悔しさは忘れていない。

「今年最後なんで自分が最後守らないといけない」。上手くいかなくてもチームが勇気づくような声・姿勢・プレーでチームを勝たせる。サイズには恵まれていないものの、間違いなく今年の高校世代を代表するGKの一人。注目GK北村が今年、東京・全国のライバルの前に立ちはだかる。

(取材・文 吉田太郎)

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