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“子ども”を戒めた湘南チョウ・キジェ監督、「少年よ、大志を抱け」と前を向く

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試合後会見に出席した湘南チョウ・キジェ監督

[4.21 J1第9節 横浜FM 4-4 湘南 日産ス]

「われわれはまだ完全に成熟した大人じゃなくて、子どもだな、と」。会見席に座った湘南ベルマーレチョウ・キジェ監督は自身を戒めるような言葉も交えながら、壮絶な一戦を振り返った。一時は2点を先行しながら、4-4のドロー決着。すぐそこに転がっていたはずの勝ち点3が惜しかった。

 横浜F・マリノス戦との“SKYシリーズ”。オウンゴールで先制した湘南はその後いったん追い付かれたが、前半28分と41分にFWアレン・ステバノヴィッチが得点し、今季初めて2点を先行した。「われわれの良さを出して、マリノスさんがやっていることの裏返しの中で点が取れた」(チョウ監督)。ここまでは理想的な展開かのように思われた。

 ところが前半44分、たった55秒間で2失点を喫してしまう。「一言でいえば、慌てる必要はなかった。マリノスさんが前に来るのが分かっていたのに、われわれは状況を読み切れなかった」(チョウ監督)。これにはGK秋元陽太ら守備陣も、MF石川俊輝ら中盤の選手も、FWアレン・ステバノヴィッチら攻撃陣も、一様に口をそろえた。「試合運びが……」と。

 もっとも、チョウ監督は「子ども」という立ち位置を切り捨てないまま、次のフェーズに視線を送っていた。「『少年よ、大志を抱け』じゃないですけど、選手たちは大志だけは抱いていると思っている。世の中を変えていけるような選手たちになってもらいたい。だから『良いハードワークだったぞ』と話しました」。未成熟だからこそ得られる勢いは、けっして悪いことばかりじゃない。

 試合後、横浜FMのアンジェ・ポステコグルー監督に対し、指向しているサッカーの素晴らしさを伝えたという。会見場でも「フロンティアスピリットというか、ボールを持って、意図的に相手ゴールに攻め込んでいくやり方。それに振り回されて、出て行く力が残っていなかった」と素直に称えていた。

「シーズン中に言うのはおかしいかもしれないですけど、プレシーズンマッチとかキャンプ中であれば、自信を持ったり、課題に向き合ったりできるような試合になった」。一つの良きチームと熱戦を繰り広げたことで、収穫を手にし、課題が残った9試合目のベルマーレ。ここからリーグ5連戦、この経験を踏み台にして臨んでいく構えだ。

(取材・文 竹内達也)

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