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[関東大会予選]勢い止まらず3戦13発!大森学園に6発逆転勝ちの駿台学園が東京準決勝へ

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前半26分、駿台学園高はMF渡辺鉄也が右足で勝ち越しゴール

[4.21 関東高校大会東京都予選準々決勝 駿台学園高 6-3 大森学園高 駒沢2]

 21日、平成30年度関東高校サッカー大会東京都予選準々決勝が行われ、駿台学園高大森学園高に6-3で逆転勝ち。優勝した08年度以来となる準決勝へ進出した駿台学園は28日の準決勝で帝京高と戦う。

 駿台学園の大森一仁監督が「多少は撃ち合い覚悟のチームですけれども、きょうはロースコアになるかなと思っていた」と話せば、日本高校選抜のスタッフとしてデュッセルドルフ国際ユース大会優勝を経験した大森学園の小川伸太郎監督は「失点は1まで。撃ち合いになったら相手の方が一日の長がある」と考えていたという。だが、試合は両校の高い攻撃力と、守備の課題も出る形で前半から激しい撃ち合いに。そして今大会、修徳高から4得点、国士舘高から3得点を奪っている駿台学園が、「(撃ち合いは)駿台ぽかったんじゃないですか。(勝利は)自信になりますね」(MF布施谷翔、3年)という6発勝利で準決勝進出を決めた。

 前半14分、駿台学園の布施谷が先制点を決めてスタンドを沸かせれば、18分にCKのこぼれ球をMF塩田翔斗(2年)が押し込んで大森学園が同点に追いつく。26分には駿台学園が“カウンター返し”。けが人が出た影響で緊急出場となった MF渡辺鉄也(3年)が左サイドから持ち込み、鮮やかな右足シュートを決めて再び勝ち越す。

 だが、大森学園は30分に5人、6人と絡む形でスーパーゴール。敵陣中央でスイッチしてボールを受けた10番MF渡邊真白(3年)が前方のFW藤井海人(2年)に当てると、最後はMF遠藤力哉(2年)の斜めのスルーパスを引き出した渡邊が右足でゴールネットを揺らす。さらに38分には左サイドを抜け出した藤井のラストパスから俊足FW平木拓海(3年)が決めて逆転した。

 それでも、駿台学園はアディショナルタイム、FW笹本周(3年)とのワンツーで中央を抜け出した布施谷が右足でゴールを破る。同点に追いついた駿台学園は後半立ち上がりのピンチをポストに救われると3分、縦パスでDFと入れ替わったFW上原飛翔(3年)が右足シュートを叩き込んで4-3。大森学園も渡邊や遠藤が相手のマークを外し、「大学生相手でもやれる」(小川監督)という快足FW平木のスピードを活かして同点機を作り出す。

 だが、前半に比べて中盤での間延びがなくなり、相手選手へのチェックが厳しくなった駿台学園がボールを握り、仕掛けの回数を増やす。23分には前線からのプレッシングで相手の連係ミスを誘い、上原が2点目のゴールを奪った。動きの量が落ちた大森学園に対し、勢いに乗ると止まらないという駿台学園はスタンドの控え部員からの大声援と“厳しい檄”を受けて発奮。決定的なシュートを連発する。そして、36分には左へのサイドチェンジから渡辺がこの日2点目のゴールを決めて勝利を決定づけた。

 東京都1部リーグから3部まで降格するなど近年はなかなか結果を残すことができていなかった駿台学園だが、大森監督は「原点に返って走る、対人のところから始めてきた」という。昨年度の選手権予選で8強入りしたことも自信となり、ブレずに自分たちのやるべきことができているようだ。そして、「自分たちはそんなに強いチームじゃない」「こんなに行くとは思っていなかった」と驚きながらも、今年の大目標としていた「ベスト4」を早くもクリア。大森監督は守備の緩さが出た部分を指摘していたが、良い意味で“調子に乗っている”チームは課題を反省しつつ、その勢いや、スタンドの盛り上がりも大事に次の試合に臨む。

 準決勝の対戦相手は帝京。左足で好フィードを連発していたGK猪田光哉主将(3年)は「ベスト4だからというのではなくて、確実に自分たちのサッカーをして、見ている人が楽しめるような内容でできれば自分たちはいいと思うので、続けていきたいと思います。(対戦相手は)強いチームなので自分たちができることを全力でやって、勝つことがベスト。一週間気合入れて次の試合に臨みたい」と意気込んだ。慢心はないが、チャンスを逃すつもりもない。自分たちがやるべきことを徹底して強敵を倒し、関東切符を掴み取る。

(取材・文 吉田太郎)

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