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[MOM2483]浦和ユースDF遠藤龍河(2年)_先制ヘッド!ハンドボールで磨かれたロングスローでも驚異に

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前半32分、浦和レッズユースCB遠藤龍河が先制ヘッド

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.22 高円宮杯プレミアリーグEAST第3節 市立船橋高 2-2 浦和ユース グラスポ]

 大槻毅監督に代わって、開幕から浦和レッズユースの指揮を執ってきた石栗建コーチはこの日、最終ラインで身体を張った守備を見せたほか、先制ゴールを決め、連投したロングスローで反撃の中心にもなっていた2年生CB遠藤龍河について「よくやってくれています。(怪我で3年生が不在の中、)戦力の厚みを作ってくれた」と評していた。

 右SB冨田蓮(2年)らとともに経験を積みながら急成長するCBが、勝ち点1を掴む原動力になった。最終ラインでのビルドアップからスピードのある両SBを活用して攻撃をスピードアップしてくる市立船橋の多彩な攻撃に苦しめられた。本人もオフサイドを取り逃したシーンやDFラインのスライド部分で課題があったことを認める。それでも、開幕戦から起用され続けて「自信ついてきましたね。落ち着いてできている」というCBは、前線に入ってくるボールを力強い動きで弾き返すなど球際で奮闘。カバーリング優れるCB白土大貴(3年)とともに辛抱強く守り続けていた。

 前半32分には先制ゴールも決めた。MF上野夏輝(3年)の右CKでニアのMF大城蛍(3年)が潰れ役に。その背後でフリーになった遠藤が「蛍くんがニアで潰れてくれてドフリーで打つことができた」とヘディングシュートをゴールに突き刺した。

 ミスがありながらも何とか相手アタッカーに食らいついていた遠藤は逆転されたあとに、その武器で反撃の中心に。敵陣でのスローインではスロワーとなり、ライナー性のロングスローを連発した。悠々とゴール前まで届く強肩は相手の驚異に。終盤、市立船橋高はその圧力の前に慌てたクリアが多くなり、結果として劇的なアディショナルタイム同点弾に繋がった。

「ハンドボールをやってきたから肩が強いんです」と遠藤は一際目立つ武器について説明する。地元の埼玉県吉川市はハンドボールが盛んで、遠藤は小学生時代、サッカーとハンドボール、そして空手にも取り組んでいたのだという。「土曜日は午前中にハンドボールやって午後がサッカー。それがあったから(肩が)鍛えられているし、空手で身体も強くなった」。ハンドボールのチームメートは全国有数の強豪校へ進学している選手も。遠藤の強肩はその中で磨かれてきた。また自宅には父の影響でベンチプレスの器具があり、シーズンオフには80kgを7回上げることができるようになるなど、サッカー以外の部分が遠藤のストロングポイントを作り出している。

 先発争いはこれからが本番だ。負傷離脱していた大型CB大桃伶音(3年)が復帰。競争が激しくなるが、成長中のCBは絶対的な存在になることができるか。「自分で点獲って無失点で終われるようにしたい」とアピールと勝利を誓う遠藤が、練習から先輩たちに負けずに、よりチームからの信頼を高めて試合に出続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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