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リバプールの好調を示す「33」と「8」。CL準決勝ローマ戦で攻守は噛み合うか

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『33』を牽引中のFWモハメド・サラー

 イスタンブールで味わった歓喜を、再び。

 リバプールがUEFAチャンピオンズリーグ準決勝の舞台に戻ってきた。2007-08シーズン以来のセミファイナルで対戦するのはローマ。準々決勝のバルセロナ戦で劇的な逆転勝利を収め、勢いに乗るチームだ。24日、まずはアンフィールドで第一戦目を迎える。

 リバプールは準々決勝でマンチェスター・シティを撃破した力をローマ相手に示し、決勝が行われるNSKオリンピスキへ駒を進められることができるのだろうか。

 もともとリバプールは攻撃的なチームだが、今季はその破壊力に拍車がかかっている。前線からチームを引っ張るのが、FWサディオ・マネ、FWロベルト・フィルミーノ、そしてFWモハメド・サラーの3人だ。抜群のコンビネーションで相手守備陣を脅かすプレーぶりで「欧州最高の3トップ」と評されることも少なくない。

 数字を見ても、その看板に偽りがないことが分かる。今季の全公式戦の成績はマネが17ゴール9アシスト、フィルミーノが25ゴール14アシスト、そしてサラーが41ゴール13アシストだ。欧州CLだけに目を向けても、フィルミーノとサラーがともに8ゴール。チームとして挙げている33得点は、イングランドのクラブとして歴代最多の数字である。要するに、リバプールは名実ともに歴史に名を刻むクラスの攻撃陣を抱えているわけだ。

 中でもサラーは今やイングランドや欧州を代表するプレーヤーに成長を遂げた。バルセロナに移籍したコウチーニョの穴を、加入1年目ながら見事に埋めてエースの地位を確立。公式戦46試合で41ゴール13アシストという成績は、ローマに支払った3430万ポンド(約51億円)が格安だったことを示している。

 強力な攻撃陣を抱えるチームにありがちなのが、前に比重が偏り過ぎて中盤や守備陣の統制が取れていないというケースだ。実際、リバプールにもそういった時期はあった。

 もっとも、現在は各ポジションごとに選手たちが個性を発揮している。その点が、今のリバプールの強みといっていい。MFジョーダン・ヘンダーソンは中盤の低い位置からチームの舵を取り、主将としての威厳が漂うようになってきた。

 アーセナルでくすぶっていたMFアレックス・オックスレイド・チェンバレンは、ダイナミックな突破とミドルシュートで攻撃に厚みをもたらし、守備でも献身的なプレーでチームを支えている。

 さらに急成長を見せているのが守備陣だ。レギュラーを務めていたDFナサニエル・クラインの不在の穴を、20歳のDFジョー・ゴメスと19歳のDFトレント・アレクサンダー・アーノルドが見事に埋め、1月に加入したばかりのDFフィルジル・ファン・ダイクはすでにディフェンスリーダーの役割を演じきっている。

 GKロリス・カリウスがもはや「ご愛嬌」と言える凡ミスをときおり見せたり、セットプレーの守備に多少の不安があるものの、深刻な問題を抱えていた時代に比べれば文字通り「カワイイもの」といった状況に落ち着いてきている。

 実際、直近14試合で記録したクリーンシートの数は「8」。ディフェンスの安定が攻撃陣の活性化に直結していることは、この間に奪った「33」という得点数を見れば疑いの余地はないだろう。

 歴史に名を残すレベルの強力な攻撃陣を抱え、中盤と守備陣もパフォーマンスを上げてきたリバプール。ローマがバルセロナ戦で1-4のビハインドを本拠地開催のセカンドレグでひっくり返したことを考慮すれば、ホームのアンフィールドで行われるファーストレグの結果は極めて重要になってくる。

 果たして、軍配はどちらに上がるのか。少なくとも、リバプールが“要塞”と呼ばれるアンフィールドで、その愛称のゆえんを示すことができれば、決勝への道は大きく開けてくるはずだ。

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