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[プレミアリーグEAST]今季の柏U-18は主将がとにかく熱い…DF杉井颯「今日の敗因はすべて自分」

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柏レイソルU-18のDF杉井颯主将(3年)

[4.22 高円宮杯プレミアリーグEAST第3節 柏U-18 2-3 清水ユース 柏人工芝]

 伝統の“うまさ”より“強さ”を目標に戦う今季の柏レイソルU-18において、熱血漢のDF杉井颯主将(3年)が果たす役割は大きい。だが、プレミアリーグEAST第3節の清水ユース戦では、そんなキャプテンに試練が訪れた。「今日の敗因はすべて自分」と背負い込んだ17歳は、もう一度前を向き直し、さらなるレベルアップを誓った。

 残留争いを繰り広げた昨季からの巻き返しを狙う柏U-18だが、開幕節の磐田U-18戦では完璧なスタートダッシュを見せた。落ち着いたボール回しで試合を支配すると、「みんな前線が速いので、通す練習はしている」(杉井)というカウンター攻撃を披露。素早いプレッシャーで相手のポゼッションをほとんど許さず、2-0というスコア以上の完勝劇だった。

 開幕戦の試合後、ハキハキとした口調で取材に応じた杉井は「『レイソルなのかこれ?大丈夫か?でも、行け!』って、そういうタイプなんです」と端的にチームの特色を説明した。すなわち、それは伝統のポゼッションスタイルに固執しないという意思表示だ。山中真監督も「“うまさ”は引き続き継続していくけれど、それだけでは“強く”はなりません」と決意を述べた。

 ところが、第2、3節は結果が伴わず、ともに2-3で敗戦。攻撃では3試合連続での複数得点が続き、「攻撃陣は良いプレーをしている」(杉井)という中で、守備での課題が表出しているようだ。とりわけ清水ユースとの第3節では、杉井ら中心選手のプレーが勝敗を分ける失点に直結した。

「2失点目は自分のボールロストから失点につながり、3失点目は自分が相手と入れ替わられたところで始まった」。失意の一戦をそう振り返った杉井は、敗因をただただ自らに求め、「みんなはよくやっていた。もっとちゃんとやるべきだったのは自分だけ。」と悔しさを隠さなかった。

 その一方、この敗戦はチーム全体にとって、ネガティブな要素ばかりではなかったという。山中監督は「中心選手に課題があるのはポジティブに捉えている。彼らが向上していけば、チームも向上していけるということ」と指摘。杉井本人も「自分がスキルアップすれば、このチームはもっと良いチームになる」と述べた。

 この日、ピッチ上では「うぉりゃー!!」「よっしゃ!!」という咆哮が響いていた。その出どころはもちろん、背番号4。対人戦に挑む時に発されるその声は、敗色が濃くなるにつれてつれてますます大きなものになっていった。悔しさ、ふがいなさ、そんな負の感情もあっただろうが、全てをプレーに昇華し続けた。

「主力がミスして負けるなら、うまければその負けはなかったということ。監督からも『繰り返さないことが大事』と言われましたし、自分も今日と同じことは繰り返したくない。また練習から真剣に取り組んでいきます」(杉井)。試練を乗り越えた主将は、もう一回り強くなってピッチに戻ってくるはずだ。

(取材・文 竹内達也)
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