日本代表監督を解任されたバヒド・ハリルホジッチ氏が27日、都内の日本記者クラブで会見した。質疑応答で「これまでコミュニケーション不足で解任されたことはあるか」と聞かれると、「初めてだ。今まで聞いたことがない」と、まるで理解できないといった表情を見せた。

　21日に来日した際、羽田空港で「何が起きているのか、まだ理解できていない状況。真実を探しに来た」と語ったが、この日の会見でもあらためて「真実を探しに来たと言ったが、真実はまだ見つかっていない」と、解任理由は納得できないままだった。

　日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「選手との信頼関係が多少薄れてきた」などと解任の理由を説明したが、「不満を漏らしているのは2名でしょうか。私には(選手から)『感謝している』『残念だ』『ありがとう』と、15人ぐらいがメッセージを直接送ってきている」と反論した。

「何人かの選手が不満を漏らしているとは聞いている。会長とやり取りをしているそうだが、テクニカルスタッフの何人かともコンタクトを取っていたようだ」。ハリルホジッチ前監督の下ではジャッキー・ボヌベー氏、シリル・モワンヌ氏、エンヴェル・ルグシッチ氏の外国人コーチ3人もいたが、「会長はあるスタッフとは話したが、私のほうのコーチであるジャッキー、モワンヌ、GKコーチとは話さなかったのか」と疑問を投げかけた。

「会長が事前に『こういった問題が起こっているが、どうするんだ』と言ってくれればよかった。西野さんも事前に警告を鳴らすなり、インフォメーションをくれればよかった」。あまりにも突然の通告。その理由もさることながら、「私がすごくショックを受けているのは、前もって何の相談もなく、だれも何も教えてくれなかったことだ」と怒りをにじませた。

(取材・文　西山紘平)

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