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[Rookie League]個、チームで良く戦い、粘った水戸商が市立船橋から勝ち点1奪取

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水戸商高SB本田海斗が相手の突破を阻む

[4.29 Rookie League AGroup第1節 水戸商高 2-2 市立船橋高 時之栖うさぎ島5]

 29日、「2018 Rookie League」A Group第1節で昇格組の水戸商高市立船橋高が対戦。2-2で引き分けた。

 試合終了の瞬間、相手の猛攻を耐えきった水戸商からは歓声が上がり、市立船橋の選手たちはうなだれるような仕草を見せた。水戸商は勝ち切ることはできなかったものの、前評判の高かった市立船橋から大きな勝ち点1奪取。潮田佳紀コーチは「春休みからこの4月29日を目指してきました。押し込まれたのは止める・蹴るの差かなと思いましたけれども、最後の気持ちのところを良く出してやってくれた」と目を細めていた。

 市立船橋は木村哲大菅谷暁輝の両CBやアンカーの久保田龍人を中心に後方から丁寧にボールを動かし、MF佐久間賢飛らが縦パスを入れたタイミングで攻撃をスピードアップ。クロス、ラストパスまで持ち込んでいたが、水戸商も推進力あるドリブルで市船DFを切り裂くFW佐川留偉や長身MF巻田有生、抜け目ない動きを見せるFW神保慶人、MF金子真貴人らが絡んだ攻撃でチャンスを作り返して見せる。

 そして33分、水戸商は金子からのパスを受けた佐川が切り返しから先制点をゲット。直後には相手のミスを逃さなかった佐川がインターセプトから2点目のゴールを奪った。

 市立船橋は前半アディショナルタイム、MF沼口翔太のアシストからMF金子凜が追撃ゴール。メンバー交代した後半に攻撃の圧力を増して同点ゴールを目指していく。そして27分、連続攻撃からFW加藤想音がシュート。こぼれ球を木内拓海が右足で押し込んで同点に追いついた。

 市立船橋は一気に相手を飲み込もうとする。MF井原充葵が素晴らしいトラップから決定的なシュートを打ち込み、右サイドを打開した佐久間のラストパスをMF松本海槻が右足で狙うなど攻め続けるが、水戸商は横山開や高島唯都を中心にゴールを死守。球際の攻防で相手ボールを足に当ててマイボールに変える水戸商は、逆にカウンターやセットプレーからチャンスを作り出していた。

 水戸商はDF経験の少ない4バックだったが、唯一の経験者である横山は「バックラインの連動の仕方を教えてあげてそれを発揮できたので良かったです。(あと良かったのは)声がけ。誰を前に行かせてカバーをオレがするよという声もよく出ていた」。一方の市立船橋には焦りの色も。その中でサイドからのラストパスやセットプレーによってゴール前のシーンを増やしていた市立船橋だが、勝ち越し点を奪えないまま試合終了を迎えた。

 水戸商GK所秀真主将は「最後、全員疲れていたと思うんですけれどもスライディングしたり、粘って、一生懸命にプレーできたのは良かった。市船相手に引き分けで終われたことは収獲になると思うし、自信になると思います」。水戸商の1年生は例年よりも少ない23名。それでも随所で個性を発揮しながらまとまりよく戦い、声を出し続けた水戸商が今後の自信となる勝ち点1を奪取した。

(取材・文 吉田太郎)
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