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“全治8か月”から先発復帰の柏MF手塚康平、「すごくつらかったんですが…」と幸せ語る

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9か月ぶりの先発出場を果たした柏MF手塚康平

[5.2 J1第12節 湘南1-2柏 BMWス]

 柏レイソルアカデミーが育てた“エレガント”な司令塔が9か月ぶりの先発復帰を果たした。絶妙な距離感のポジショニング、素早い判断でのダイレクトプレー、動きに無駄のないターン、左足でのミドルシュート。長期離脱を感じさせないようなハイパフォーマンスで、チームの2試合ぶりの勝利に貢献してみせた。

 MF手塚康平はプロ入り2年目の昨年8月5月、J1第20節の神戸戦で、右膝前十字靭帯損傷、右膝半月板損傷の大怪我を負った。全治に要する期間は、サッカー選手に多い負傷の中では、最も長い8か月。「すごくつらかったんですが、こういうふうにサッカーができることを考えて、ずっとリハビリしてきました」(手塚)

 そうして手塚はピッチに戻ってきた。実戦復帰したACL第6節の天津権健戦では16分、J1第10節の浦和戦では21分、そして前節の清水戦では34分。徐々に出場時間を伸ばしながら、コンディションを整え、ついにこの日、負傷した神戸戦以来270日ぶりとなるスタメン入りを飾った。

「試合前はすごくワクワクしました。サポーターに自分の応援歌を歌ってもらって、すごく力になりました」。そうして試合に入った背番号17に、見せ場はたびたび訪れた。前半17分、味方のクリアをダイレクトで前に付け、中央を崩してFWクリスティアーノに決定機。同26分には、前にスペースがあるのを見るや、強烈なミドルシュートを放った。

 そうして前半28分、自慢のテクニックで追加点を導いた。インターセプトしたボールをダイレクトでMF瀬川祐輔に送ると、そこからクリスティアーノのスルーパスを呼び込み、MF江坂任が技ありシュート。「縦に付けるチャンスがあったら、どんどん付けていこうと思っていた」という意識が実を結んだシーンだった。

 後半31分にピッチを後にしたが、その直前にも大チャンスにつながるスルーパスを出すなど、終始安定したパフォーマンスを披露した。「自分が監督に使われる意図は、自分たちのボールを大事にしたいということ。まだまだですけど、何回か良いプレーも出せたし、あとはもっと自分たちの時間を長くすることを突き詰めたい」。とは前へと進んでいくだけだ。

「試合に出ることを考えてリハビリをがんばってきて、こうやって試合に出られて幸せです」(手塚)。中学、高校と柏アカデミーが手塩にかけて育て上げてきたテクニシャンは、まだ22歳。柏サポーターから歌い上げられる『エレガント』なプレーを見せてくれることを、期待せずにはいられない。

(取材・文 竹内達也)

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