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アクシデント続発の敗戦も…湘南チョウ・キジェ監督「とても頼もしく見えた」

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ピッチを後にする湘南のチョウ・キジェ監督

[5.2 J1第12節 湘南1-2柏 BMWス]

 あたふたした前半の劣勢を後半で取り戻そうとしたが、わずかに及ばなかった湘南ベルマーレチョウ・キジェ監督は敗戦後、「この結果になった責任は自分にある」と述べたうえで、「選手たちがとても頼もしく見えた」と前向きに振り返った。

 試合前からアクシデントが続発してしまった。ウォーミングアップ中にMF高橋諒が負傷したため、急きょMF石原広教をスクランブル起用。この件が影響したかは定かではないが、序盤から柏MF伊東純也に左サイドを何度も切り裂かれ、そこから先制点に結びついた。

 さらに前半35分、今度はFWイ・ジョンヒョプが倒れ込み、担架でピッチを離脱。だが、ここでチョウ監督は耐えた。ピッチ外で治療する様子を確認しつつ、交代カードは使用せず、エースが戻るまでの数分間を無失点で切り抜けた。

 すると後半は猛攻を展開。うって変わって躍動した選手たちは勇気を持って前進し、MF石川俊輝、MF菊地俊介のシュートが次々にゴールを襲った。だが、不運にも多くが枠外。決まったのは菊地の1本のみにとどまり、前半のビハインドを取り返せぬまま敗れた。

 チョウ監督は記者会見場に現われると、雨中で声援を送ってくれたサポーターに感謝の気持ちを述べ、さらに言葉を続けた。「初めて2点のリードされて前半を終えたが、諦めずに追い付こうという彼らの姿勢が見ていて頼もしいと思いました」。発された内容はいたって前向きなものだった。

「悪いところに目を向けるのではなく、そういうところを評価してあげたい。勝ち点ゼロで何を言っているんだって言われそうですが、われわれはいきなり10歩進んで、10歩後退して、20歩進むみたいなチームじゃなくて、1歩進んで、半歩後退して、そこから2歩進むチームだと思います」

「久しぶりに負ける悔しさを味わいましたが、それは自分たちの行く道を狭めたり遠回りさせる要素ではない。すくすく育つためにこの負けがあって良かったです」。すなわち、この試合は“前進”するための“後退”。ここでの教訓を次の試合で生かせばいいという考え方だろう。

 そのような心持ちは、“緊急当番”となった石原に対する配慮にも表れた。評価を問われた際に「いつもバタバタしているので、あれはいつもどおり。よくやってくれた」と述べ、「結果の責任は全て自分にある」とキッパリ。“結果”という不確定要素を背負わせるのではなく、“自身”の課題に向き合う姿勢を自ら見せることで、『すくすく育つ』19歳を見守っているように思えた。

(取材・文 竹内達也)

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