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日体大出身GK福井光輝がJデビュー! “あわや”のピンチは「みんながイジってくれて…」と安堵

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Jリーグデビューを果たした町田GK福井光輝

[5.3 J2第12節 東京V 1-4 町田 味スタ]

 今季日本体育大から加入したFC町田ゼルビアGK福井光輝が3日、記念すべきJリーグデビュー戦を迎えた。指揮官の不在、吹き付ける強風など、難しい要素もあったが、1失点に抑えて5試合ぶりの勝利に貢献。試合後には「やっとスタートラインに立てた」と喜びを表現した。

 前節大分戦の敗北で3連敗となった町田は今節、22歳の門番に苦境の打開策を見いだした。出番を認識したのは今週のセットプレー練習でのこと。相馬直樹監督から「先にポジションに入れ」と伝えられたのだという。「いつでもできるように準備はしてきた。それをピッチで表すだけ」。連戦中の抜擢にも迷いはなかった。

 前日練習は通常どおり参加した相馬監督はこの日、体調不良で不在。村主博正ヘッドコーチが緊急的に指揮を執ったが、「練習でずっと良いパフォーマンスをしていた」(村主コーチ)という福井の心は乱されず。「自分は数字にこだわってゴールマウスに入るタイプ。失点しなければ負けることはない」と強い気持ちでピッチに立った。

 前半は向かい風を受けるエンドに回り、難しいコンディションを強いられた。序盤のプレーでは、相手のロングフィードに飛び出し、軌道の目測を誤ったことでバウンドボールが頭上を通過。だが、この危険なシーンに落ち着いて対処し、徐々に試合に入れるようになっていった。

 もっとも、本人の心中は穏やかではなかったという。そのシーンを振り返った福井は「みんながイジってくれたのが良かったです。『あの時の顔、ヤバかったぞ』って言われて」と苦笑い。それでも「焦っているのを見せると相手にスキを与えてしまうので」とポーカーフェースを貫いたのはさすがだった。

 プロを志したのは湘南工科大附高時代の2013年、SBS杯に臨むU-18日本代表候補合宿のメンバーに選ばれたのがキッカケだったという。チームメートではMF川辺駿(広島)、FW関根貴大(インゴルシュタット)が印象に残っているが、「みんながプロ昇格を決めていて、みんながうまかった。こういうふうになりたいと思いました」と衝撃を受けたという。

 あれから5年。彼らと肩を並べられるプロサッカーの舞台に立ち、初戦でチームの勝ち点3獲得に貢献することができた。「これまでどおりのプレーを継続していって、若手の自分が試合に出ないといけないと思っている。求められていることを表現して、しっかり準備していきたい」(福井)。3日後に迫る次節横浜FC戦でも、一度奪ったポジションを譲る気はない。

(取材・文 竹内達也)

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