beacon

[球蹴男児U-16リーグ]チームの基準学び、早くも表現。長崎総科大附が走りと球際で上回り5発勝利

このエントリーをはてなブックマークに追加

前半44分、長崎総合科学大附高FW小林麓王が右足シュートを決めて3-0

[5.3球蹴男児U-16リーグD1第1節 鹿児島城西高 1-5 長崎総合科学大附高 大津陸上競技場]

 九州の強豪校が長期に渡るリーグ戦を通して1年生選手の育成および指導者のレベルアップを図る「2018 球蹴男児U-16リーグ」が3日に開幕。Division1の鹿児島城西高 (鹿児島)対長崎総合科学大附高(長崎)戦は5-1で長崎総科大附が快勝した。

 高校入学からまだ1か月ほどの1年生。だが、長崎総科大附の1年生選手たちは早くもチームの特色を表現するようなサッカーを展開し、鹿児島城西を飲み込んだ。彼らは4月にAチームのプリンスリーグ九州開幕戦を観戦。村山聡コーチは「『ウチのチームの基準はこうだよ』、と連れていって見せました」と説明していたが、これが選手たちにとって大きな刺激となったようだ。FW小林麓王は「先輩たちがみんな凄い試合をしていたので練習の入りもみんな変わりました」と振り返っていたが、彼らは先輩たちのように走る意識、球際で戦う意識が非常に高いチームになっている。

 前半16分、長崎総科大附は左SB大石航大のゴールで先制すると、37分にはFW国吉シントクが個人技で持ち込んで右足ミドル。ポストを叩いた跳ね返りをMF堤太陽が押し込んで2-0とする。

 Aチームに5人が上がっているという鹿児島城西はFW和田秋斗の鋭い抜け出しやFW田平哲也のポストプレー、サイド攻撃などから反撃。だが、豊富な運動量と球際での迫力のある攻守を見せる長崎総科大附から試合の流れを引き寄せることができない。特に推進力ある動きを見せていた小林や国吉が間髪入れずに縦への仕掛けを繰り返していた長崎総科大附は、相手が負傷者を出して10人で戦っていた前半終了間際に3点目。小林が右サイドから右足アウトにかけて放ったシュートがゴール左隅に決まり、3-0となった。

 後半は鹿児島城西がセカンドボールの攻防により強度を持って入るようになり、試合は拮抗。鹿児島城西はCB山下玲が前線に入ってくるボールを良く弾き、右SBからボランチへ移行した原田前がグイグイ攻め上がるなど相手に食い下がる。

 だが、周囲から「1年生であのスピード?」という驚嘆の声も上がっていた長崎総科大附の勢いは後半になっても落ちない。セットプレーやクロスからゴール前にボールを入れられる回数が増えたものの、CB藤田和也やCB山口敦樹がそれを跳ね返し続けた。

 そして27分、長崎総科大附は交代出場のFW吉行紘人が追加点。鹿児島城西も35分に交代出場FW南龍之介が1点を返したものの、長崎総科大附は試合終了間際にも交代出場MF岩見海斗が決めて5-1で快勝した。

 各選手がサボらずに走り勝った長崎総科大附の小林は「90分長いんですけれども、きょうは短く感じました。一人ひとりがサボらずにやっているのでみんなも頑張っています」と微笑む。自分たちがやるべきことを表現し、開幕戦で快勝を収めた。

 小林は長崎総科大附での目標と球蹴男児U-16での目標について「総附での3年間の目標は選手権に出て日本一になることです。球蹴男児の目標は目の前の試合を一つ一つ大事にして、経験を積み重ねて、次の勝利に繋げていきたいです」と語った。個々が理解早くチームの一員になっている印象の長崎総科大附。第2節で喫した敗戦からも学びながら、目標達成のために成長を続ける。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
2018 球蹴男児U-16リーグ特集ページ

TOP