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[MOM524]関西学院大FW山見大登(1年)_50m6.0秒の俊足ルーキー、初先発で劇的決勝弾

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50メートルを6.0秒で走る俊足ルーキーFW山見大登

[4.28 第96回関西学生L前期第4節 阪南大2-3関西学院大 キンチョウスタジアム]

 初夏を思わせる日差しが照りつけるキンチョウスタジアム。残りわずかとなった後半アディショナルタイムにDF宇都木峻(4年=佐野日大高)が右前方に大きくフィード。スペースに走ったDF南島彰人(4年=神戸U-18)がボールを受け、阪南大DF2枚の奥へパスを送ると、FW山見大登(1年=大阪学院高)がうまくコントロールしてゴールに流し込んだ。その直後にタイムアップの笛が響く。互いに譲らぬ熱戦は、ルーキーのリーグ初得点で関西学院大が勝利を収めた。

 リーグ戦では初スタメンとなった山見だが、先に行われた兵庫県サッカー選手権準決勝(天皇杯兵庫県予選)のエベイユFC戦ですでにスタメン出場し、ゴールも決めている。難敵・阪南大との対戦にあたり、「練習を見てスタッフ陣で話し合い、起用を決めた。自信を持って送り出した」と言う高橋宏次郎ヘッドコーチの期待に応えて見せた。身長165cmの小柄なアタッカーは前線で積極的にプレスをかけ、ボールを奪うと50メートルを6.0秒で走る俊足を生かしたドリブルで、経験豊富な阪南大の守備陣を切り裂いた。

「阪南のCBは強いので、フィジカルでは負けてしまう。スピードを生かしたプレーで相手の背後をとって、ドリブルで仕掛けてチャンスを作ろうと思っていた」という本人の目論見どおりに俊敏さで敵を翻弄し、この日の全得点に絡んだが、「僕の特徴を皆が理解してくれて、周りがいいボールをくれているから」と謙虚な気持ちも忘れない。

 出身である大阪学院高では、ほとんどの生徒が系列の大阪学院大へと進む。だが、特進クラスに所属していた山見には、他大学へ進学するという選択肢もあった。大阪学院高の小野原明男監督が関学大の出身という縁もあり、「仲間と離れて外の大学で自分の力を試したい」という気持ちで進路を決めた。

 FWをやるようになったのは、高校3年から。それまでは左サイドハーフで起用されることが多く、レギュラーポジションを掴めていたわけでもなかった。小野原監督には「1年目でAチームのリザーブに定着できる力を着けて、2年目から試合に出られるように頑張れ」と言われて送り出され、自身も今年は力を蓄えるシーズンになると考えていた。しかし、3月にBチームが参加したTRAUM CUPで得点王と新人賞を獲得すると、その後の練習試合でも得点を重ね、一気にAチームへと駆け上がった。

「僕は小さいので、相手に当たられないような間合いを心がけてプレーしています」と話すように、トップスピードに乗ったときのドリブルは、巧みな重心移動で容易には止められない。この日も抜群の速さで幾度もゴールに迫り、シュートを放った。高橋ヘッドコーチも「ドリブルでやりぬいてぶち込めるチャンスはあるので、その形で決めて欲しい」と期待をかける。

 大学を経てプロでやりたいという思いもある。そのためには「まずはリーグで結果を残して、チームに貢献できるようにがんばりたい」と初々しく抱負を語る。技巧派が揃う関学大の攻撃陣の中、スピードで縦へと牽引できるタイプは他にいない。関学大の新たな攻撃の切り札として、名乗りをあげたルーキーが、まずは関西学生リーグというステージで己の力を磨く。

(取材・文 蟹江恭代)
●第96回関西学生リーグ特集

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