beacon

[関東大会予選]新生・習志野が5-0で千葉突破!7年ぶりに関東大会進出!

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半12分、習志野高FW打林怜士が右足でこの日2点目となるゴール

[5.12 関東高校大会千葉県予選準決勝 習志野高 5-0 東京学館浦安高 ゼットエー]

 平成30年度関東高校サッカー大会千葉県予選準決勝が12日に行われ、習志野高が東京学館浦安高に5-0で快勝。7年ぶりとなる関東大会出場を決めた習志野は、13日の決勝で日体大柏高と対戦する。

 選手権、インターハイ優勝の歴史を持つ伝統校が、千葉予選を突破した。ボールサイドへ人数を掛けて寄せてくる東京学館浦安に対し、習志野は逆サイドへの配球からスピードのある崩し。前半11分には右クロスをファーサイドの長身FW打林怜士(3年)が頭で折り返し、MF鈴木勇太(3年)とMF大舟翼(3年)がDFライン背後へ抜け出す。最後は大舟が右足で先制ゴールを流し込んだ。

 対する東京学館浦安は右の山崎龍二(3年)と左の吉田俊輔(3年)の両SBのアーリークロスなどから反撃。29分には最終ラインからのフィードをMF青海将仁(3年)が丁寧に頭で落とす。これを受けたFW高野公貴(3年)が切り返しでDFを外してから左足を振り抜いたが、習志野はGK菅野九十九(3年)が至近距離からのシュートを止めて先制点を許さない。

 習志野は福田克行監督が「GKが当たっていることが今大会勝ち上がっている要因」と評していたが、GK西村富士大(3年)との競争で意識が高まっているという注目GK菅野がこの試合でもチームを救う大仕事をしてのけた。

 守護神のビッグセーブに救われた習志野はカバーリング優れたCB関海翔(3年)と対人に強い長身CB松戸瑛登(3年)を中心に相手のロングボールを封じると、2列目でキープ力と展開力を示すMF中澤大翔主将(3年)と精度、判断の良さで攻撃のスイッチを入れるMF桜庭晴人(2年)の2シャドーがチャンスメーク。そして、33分には左中間から強引に仕掛けた打林が左足シュートを豪快に決めて2-0とする。

 習志野は後半も桜庭の中央突破からチャンス。そして、12分には中澤大のスルーパスから打林が決めて3点差とした。東京学館浦安も前線での動き鋭い高野やFW春藤航太(3年)、青海を中心に反撃する。習志野は攻守においてミスも散見されていたが、周りの選手が良くサポートして無失点のまま試合を進める。そして37分、松戸の縦パスで抜け出した交代出場FW遠藤一真(3年)が右足で4点目のゴール。さらに39分にもカウンターからスルーパスで抜け出した大舟がGKをかわしてダメ押し点を決めた。

 習志野は日本高校選抜を率いた経歴も持つ前任の砂金伸監督が、今年4月に幕張総合高へ転任。6年間コーチを努めてきた福田新監督の下、再スタートを切っている。砂金監督時代に磨き上げてきた高い守備意識、後方からのビルドアップをベースに、いい意味で自由度を与えたという攻撃が噛み合って結果に。加えて、中澤大が「これまでは監督に頼っていたところがあった。今年は自分たちで考えながらどうしたらいいか考えながらできている」と語るように、選手たちが自立できてきている部分も大きいようだ。

 ただし、福田監督は「このまま上手く行くとは思っていない。上手く行かなくなる前に先回りして、イメージして、引き締めていきたい」と語る。期待値の高い世代だが、ここ数年なかなか結果が出なかったからこそ、苦しい時でも乗り越えられるようにスタッフ、選手全員で準備を進めていく。

 現3年生たちは入学から県ベスト4も経験していなかったというだけに、7年ぶりの関東大会は貴重な舞台となる。福田監督は「千葉県を超えたところでどのくらいできるのか、見てきたい。楽しみです」と期待し、中澤大は「準決勝行って戦ったのは1年生から初めてなんですけれども、自信を持って、みんな乗って行けていると言っている。(今後の戦いでも)チームメートと自分を信じてやっていけたら良い」。習志野は伝統校としてではなく、挑戦者として戦う千葉決勝、関東大会の経験を、今後のインターハイ予選、選手権予選突破に繋げる。
 
(取材・文 吉田太郎)

TOP