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攻めと守りは表裏一体…3位札幌を誰よりも知る男、MF宮澤裕樹が語った『手応え』

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10番でキャプテン、札幌生え抜き11年目のMF宮澤裕樹

[5.13 J1第14節 FC東京0-0札幌 味スタ]

 攻めながら守り、守りながら攻める――。FC東京北海道コンサドーレ札幌の上位対決は、そんなめまぐるしい局面の連続だった。札幌所属11年目でチーム最古参のMF宮澤裕樹主将は試合後、勝ち点3を奪えなかった悔しさを表現しつつも、チームの成長への手応えを口にしていた。

 J1残留を目標にしぶとく守って勝ち点を積み重ねた昨季から一転、ペトロヴィッチ監督を招へいして攻撃に力点を置こうとしている今季の札幌。攻守を両立することの難しさは多くのチームが直面する課題だが、この一戦はまさに昨季からの『積み上げ』を感じさせるものだった。

 相手に13本のシュートを打たれながらゴール前で守り切ったのは、昨季から見られるしぶとさ。その一方、自陣でのビルドアップから3トップに縦パスを当て、そこからサイドを崩す場面を多くつくったのは、今季から加わった要素だ。結果はスコアレスドローに終わったが、多くの選手からは「良い試合だった」という率直な感想が相次いだ。

 ボランチでフル出場した宮澤は「決められそうな場面で粘り強く守れて、攻撃では相手を驚かすところまで行けた」とこの一戦を振り返る。自身の出来には「後ろからの配球がうまくいかなくて、前に運ぶことができていなかった」「自分のミスからピンチを招いてしまった」と満足しない様子だったが、今季のチーム全体に話が及ぶとトーンは変わった。

「監督が来てから点の取り方を実践しているけど、それが結果に表れているから、守るところで我慢ができるようになった。点を取るか取らないかまで行けるので、ピンチで我慢することができている」。すなわち、攻撃に自信が付いたことによって、余計なリスクを背負う必要がなくなり、昨季から積みあげてきた堅守が効果を持つということだ。

 実際、今季の1試合あたりの失点数は『1』を下回っており、守備に力点を置いていた昨季のペースより大幅に減少。その結果が3位という好調に結びついているのは明らかだ。「中断まであと1試合なので、勝って終わりたい」(宮澤)。そこでの『勝利』は、約2か月間の中断期間をACL圏内で迎えることを意味することになる。

(取材・文 竹内達也)
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